「スケプティシズム(skepticism)」 世の中にあって、当たり前だと思われていることにつき、その妥当性を疑ってかかる精神的な態度のこと。 例えば、いわゆる超常現象、超科学現象、超古代史などの現象や説明について、一方的に「非科学的だ」と否定せず、「本当にそれが事実であるのか、注意深く、客観的に立証を求めていく」態度。
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懐疑主義と新しい思想 ~価値観を疑うことによって崩し、生まれる新しいもの デカルト哲学と分解と数学化 【フッサール『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』,デカルト『方法序説』】 懐疑主義者デカルト フッサールと懐疑主義 【フッサール『イデーン』,セクストス・エンペイリコス『ピュロン主義哲学の概要』】 懐疑主義の批判 既存の価値観を疑う懐疑主義者により起こる思想的革命 前回のお話 waka-rukana.com 懐疑主義と新しい思想 ~価値観を疑うことによって崩し、生まれる新しいもの デカルト哲学と分解と数学化 フッサールはヨーロッパ諸学における数学的世界に対抗するために体験を軸とした現象学を…
現代における懐疑主義のエポケー/判断停止を用いる新たな哲学である現象学 平静を求めるための懐疑主義のエポケー/判断停止 【アナス,バーンズ『古代懐疑主義入門』】 現代におけるエポケー/判断停止と現象学 【竹田青嗣『現象学入門』】 体験を純粋に取り出すための手段としてのエポケー/判断停止 【フッサール『イデーン』】 前回のお話 現代における懐疑主義のエポケー/判断停止を用いる新たな哲学である現象学 イデーン―純粋現象学と現象学的哲学のための諸構想 (1-1) 作者:E.フッサール 発売日: 1979/12/16 メディア: 単行本 平静を求めるための懐疑主義のエポケー/判断停止 古代の懐疑主義と…
近世/近代に現れた懐疑主義の影響とデカルトの懐疑 【セクストス・エンペイリコス『ピュロン主義の概要』】 デカルトの懐疑 【デカルト『方法序説』】 デカルトの懐疑とセクストス・エンペイリコスの懐疑主義 中抜きされてしまった中世哲学 【キリスト教教父著作集,キリスト教神秘主義著作集】 前回のお話 近世/近代哲学における、古代懐疑主義からの影響による認識論の基礎づけ ~セクストス・エンペイリコスからデカルトへ - 日々是〆〆吟味 近世/近代に現れた懐疑主義の影響とデカルトの懐疑 方法序説 (角川ソフィア文庫) 作者:デカルト,小場瀬 卓三 発売日: 2013/07/25 メディア: Kindle版 …
近世/近代哲学における、古代懐疑主義からの影響による認識論の基礎づけ 近世哲学における既成哲学の拒絶 古代懐疑主義による徹底批判 【セクストス・エンペイリコス『学者たちへの論駁』】 近代哲学における新しい基礎の探求 【デカルト『方法序説』,ロック『人間知性論』,カント『純粋理性批判』】 転換される認識の基礎 前回のお話 古代における懐疑主義と近代の哲学者たちの関心 ~セクストス・エンペイリコス『ピュロン主義の概要』の後世の影響 - 日々是〆〆吟味 近世/近代哲学における、古代懐疑主義からの影響による認識論の基礎づけ 人間知性論 1 (岩波文庫 白 7-1) 作者:ジョン・ロック 発売日: 19…
古代における懐疑主義と近代の哲学者たちの関心 近世におけるセクストス・エンペイリコス 学派的真理への批判と真理の相対化 【セクストス・エンペイリコス『ピュロン主義の概要』】 古代の哲学者の問題意識と近世の哲学者の問題意識 【マルクス・アウレーリウス『自省録』】 スコラ哲学からの自立を目指す近代哲学 【中世思想原典集成20 近世のスコラ学】 前回のお話 古代における懐疑主義と近代の哲学者たちの関心 中世思想原典集成 精選6 大学の世紀2 (平凡社ライブラリー) 発売日: 2019/09/12 メディア: 単行本 近世におけるセクストス・エンペイリコス 近世になってからセクストス・エンペイリコスの…
失われた古代の古典と新しく出版されることにより蘇る問題意識 現代にまで影響を与える古代の懐疑主義 案外残っていない古代の哲学 【ソクラテス以前哲学者断片集,初期ストア派断片集】 修道院に死蔵されて忘れられた古典たち 出版が可能になってから再び現れた古代の古典 新しい本としての古代の本 【セクストス・エンペイリコス『ピュロン主義の概要』】 前回の プラトンのアカデメイアと哲学の変遷 ~プラトン亡き後のアカデメイアの研究態度の変化 - 日々是〆〆吟味 失われた古代の古典と新しく出版されることにより蘇る問題意識 学者たちへの論駁〈1〉 (西洋古典叢書) 作者:セクストス エンペイリコス メディア: …
ナイーブ・シニシズム(Naive Cynicism)は、心理学や社会心理学の用語で、人々がある対象や情報に対して疑いや否定的な態度を持つ傾向を指します。ナイーブ・シニシズムは、一般的なシニシズム(懐疑主義)とは異なり、無知や情報の不足から生じるものです。 ナイーブ・シニシズムの特徴は以下のようなものです: 1. 信じがたさの高まり: 人々が新しい情報や主張に対して疑いを持ち、受け入れるのが難しいと感じる傾向があります。これは、過去の経験や先入観、信頼性に関する不確実性などから生じることがあります。 2. 情報の拒絶: ナイーブ・シニシストは、新しい情報を受け入れるのではなく、拒絶する傾向があり…
ピュロン主義とは異なる別の懐疑主義としてのアカデメイア もうひとつの懐疑主義 【セクストス・エンペイリコス『ピュロン主義の概要』】 プラトンの哲学と懐疑主義 ストア派の祖としてのキュニコス派とプラトン 【ディオゲネス・ラエルティオス『ギリシア哲学者列伝』】 【山川偉也『哲学者ディオゲネス』】 ストア派と懐疑主義的アカデメイア 【エピクテトス『人生談義』】 前回のお話 ピュロン主義としての懐疑主義とセクストス・エンペイリコスの著作『ピュロン主義哲学の概要』や『学者たちへの論駁』の歴史的意義 - 日々是〆〆吟味 ピュロン主義とは異なる別の懐疑主義としてのアカデメイア ギリシア哲学者列伝 上 (岩波…
ピュロン主義としての懐疑主義とセクストス・エンペイリコスの著作の歴史的意義 ピュロン主義としての懐疑主義 遺されていないピュロンの著作とセクストス・エンペイリコス 【セクストス・エンペイリコス『ピュロン主義の概要』】 セクストス・エンペイリコスの著作によって遺された古代哲学の断片 【セクストス・エンペイリコス『学者たちへの論駁』】 前回の 懐疑主義の持つ特定の心理を報じない積極的判断停止の立場 ~心の平静をもとめるひとつの知恵 - 日々是〆〆吟味 ピュロン主義としての懐疑主義とセクストス・エンペイリコスの著作の歴史的意義 ピュロン主義哲学の概要 (西洋古典叢書) 作者:セクストス エンペイリコ…
特定の真理を奉じない懐疑主義の積極的判断停止の立場 懐疑主義とわからないことの宙ぶらりん 【アナス,バーンズ『古代懐疑主義入門』】 わからないことを選ぶ懐疑主義 判断停止と心の平静 【セクストス・エンペイリコス『ピュロン主義の概要』】 前回のお話 エピクロスの哲学と原子論の考え方とキリスト教における自然観の対立 - 日々是〆〆吟味 特定の真理を奉じない懐疑主義の積極的判断停止の立場 学者たちへの論駁〈1〉 (西洋古典叢書) 作者:セクストス エンペイリコス メディア: 単行本 ローマ時代の哲学はストア派とエピクロス学派と懐疑主義、なんて書きましたが、実際にはストア派とエピクロス学派が二大巨頭で…
新プラトン主義の歴史 プラトンの没後、アカデメイア派は数学的思弁に偏るが、やがて懐疑主義へと転換する。その後、プラトン主義が興隆し、キリスト教思想と融合していく。プラトンの思想は古代から中世へと受け継がれていった。 After Plato's death, the Academy became biased towards mathematical speculation, but eventually shifted to skepticism. Later, Platonism flourished and merged with Christian thought. Plato's id…
「未来を予言したメッセージ――ファティマ第3の予言が描く驚愕の真実とは? 1917年、ポルトガルのファティマで起きた出来事は、世界を震わせた。三人の羊飼いの子供たちが聖母マリアから受け取った三つの予言。 中でも第3の予言は、その内容が秘匿され、長きに渡り人類の想像を超える憶測を生んだ。この記事で、謎に満ちたその予言の核心に迫り、何故未だに世界の注目を集め続けるのか、その理由を解き明かす。 「未来を予言したメッセージ――ファティマ第3の予言が描く驚愕の真実とは? ファティマ第3の予言とは何か? ファティマの予言:神秘の序章 1917年、ポルトガルで起きた奇跡 第3の予言の公開とその内容 予言と歴…
エセー〈4〉作者:ミシェル・ド・モンテーニュ白水社Amazon 第2巻第12章「レーモン・スボンの弁護」のみを収録。 モンテーニュはレーモン・スボンの『自然神学』という本を翻訳したことがある(1569年刊行)。私は持っていないが、入手は可能のようである。 モンテーニュは長い論考向きの人ではないし、哲学の話題が多く、すんなりと理解できるというものではない。懐疑派に入れ込んでいた時期でもあって、人間の理性も感性も不確実なものであり、あてにはできないということが、あれこれ語られる。それは、まったくスボンの弁護などにはなっていないらしい。 有名なクセジュという言葉が出てくるのは、この章である。 彼らが…
2024年3月26日(火)――このポストが行なわれた日からみて「次の火曜日」――に「第6回非難の哲学・倫理学研究会(佐々木拓がオーガナイズ)がある。私はそこでヒュームの責任論とストローソン(父親のほう)のそれを比較する発表を行なう。その原稿が文字として存在するので、公にしておきたい。ただし、HatenaBlogの仕様のため、引用における傍点強調などは抜けてしまっている(体裁上の不足点についてはご容赦されたい)。 《自由と責任にかんするヒュームの立場は正確にどのようなものか》はあまり知られていないので、その点に関心のあるひとにとっては役立つテクストになっているかもしれない。 >>>> ヒュームと…
以下、《人間の自由や責任の存在をデネットはいかにサポートするか》を説明する。そのさい参照するのは『自由は進化する』(山形浩生訳、NTT出版、2005年)や『自由の余地』(戸田山和久訳、名古屋大学出版会、2020年)である。 じつにデネットにおいて〈責任をとる〉あるいは〈責任を負う〉という実践は或る種の「進化的な」プロセスを通じて生じる。そのプロセスは――いろいろ言葉を補って再構成[*]すれば――次のようなものだ。 [*] 後述の「罰してくれてありがとう」を理解可能にするための抜本的再構成である。 いまだ「お前が悪い」と互いに責め合ったりすることのない、一定の生物個体群が存在するとする。そして―…
曇り。 強気市場が続いている。これがバブル相場に転換するのか否か。株価は上昇し、投資家は輝いている。しかし、同時に神経質になっている。 2年前、壮大なバブルがはじけたことに相当数の人々が同意していた。超低金利の時代が終わり、すべての資産クラスの基礎を揺るがした。株価は低迷し、政府国債は打撃を受けた。仮想通貨市場はフリーフォール状態に陥った。 インフレは終わり、安いマネーが調達できるという過去10年間のコンセンサスは、集団思考に陥った愚かなものだとみなされた。足元では懐疑主義と現金思考に主流の思考はとって代わっている。 アメリカ株にとっての谷は2022年10月に到来した。それから1年半が経過し、…
ポルトガルの保守政党連合が予備選挙で勝利し、欧州連合(EU)全域で右派勢力の人気が高まっていることを示す最新の例となった。 Ekaterina Blinova Sputnik International 11 March 2024ポルトガルの保守派が選挙で勝利したことは、欧州政治における右傾化の最新の兆候である、と識者は主張する。ポルトガルの保守派は現職の社会党を上回ったが、社会党はその後譲歩した。中道右派の民主同盟(AD)は国会で約76議席を獲得し、ユーロ懐疑派の右派シェーガ(ポルトガル語で「もういい」の意味)は12議席から48議席へと4倍の議席を獲得した。ポルトガル・カトリック大学政治研究…
どうも4月に解散があると思っている人たちがいるようです。国会でも岸田に質問が出ました。総理、国民に身を問う必要があるのではないですか。4月解散、どうお考えですか、と言いたのは例の辻本氏。私は裏金疑惑があった時に逃げませんでしたよ、と妙な理屈で迫ってきます。この質問に岸田派、今は目の前の難題への対処に集中しており、解散など一切考えておりません、との答弁。 あるかもな、と多くの人は思ったのではないでしょうか。 まあ、状況の変化で、いま仮に彼が4月解散を考えていたとしても、変更されることは十分にあるでしょう。そういう意味では何も決まっていないというのが正しい見方だと思いますが、私はこんなことを妄想し…
日本人が互いに怠惰を許さないのは日本人社会に目的意識がないから。社会に目的があれば目的を達成していさえすれば怠惰も許せる。 同調圧力の強い社会は目的を持たない社会説 無人島だったミルリ環礁に浄水施設と小さな火力発電所を作った。燃料はミルリの三つの極小島の土だ。珪藻土に似た色の一種の泥炭を精製して燃し熱源としている。(村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』講談社文庫) 京都のランリック、小樽のナップランド、浜松のことゆくラックとウクラン、立山町のわんパック。ランドセル以外のご当地ナイロン製ランドセル。 ミニオンズの憂鬱は私たちの気分に重なるのである。欲望の大半が簡単に充足されうるとき、私たちは何が…
男尊女卑の男性とは、か弱い女性を守りたいから、お前は俺より低学歴、低収入、低才能でいろ、という要求をする人の事です。 それは、東大生の女性が合コンなどで自分の身分(学歴)を明かしたがらないことから分かるように、悪意がなくてもこの国に生まれ育つ事で自覚のないままにその社会の空気に忖度して陥ってしまうのが男尊女卑であり、男尊女卑は社会にはびこる悪思想が生み出した集団幻想であるという事です。 社会にはびこる個人思想が、男性を男尊女卑に洗脳し、男尊女卑に染まった男性が、女性を男尊女卑で洗脳する事で始めて女性の被害が生じる、という二重の悪の洗脳手口です。悪の親玉は観念論(=相対主義+懐疑主義)の個人主義…
アーシュラ・K・ル・グウィンの「オメラスから歩み去る人々」において、言及されていた文章、ウィリアム・ジェイムズの「道徳哲学者と道徳生活」の、「オメラス」にて言及されている部分の抜粋訳。 訳者の力不足により意味が取れていない箇所があると思います。 【】は訳者の意見です。 改行は原文と一致していません。 ***以下より翻訳*** 道徳哲学者と道徳生活 (1891年2月9日イェール大学の哲学クラブの前で読まれた) この論文の主な目的というのは、あらかじめ独断的に倫理哲学を作るということはまったく不可能であるということを示すことにある。 人類の道徳生活に貢献する限りにおいて、我々はみんな、倫理哲学の内…
2024/02/15 貝塚茂樹「中国の歴史 上」(岩波新書)-2 秦・漢から三国志の時代まで。都市国家連合から官僚による専制国家が誕生。 1964年の続き 最初のミレニアム期を駆け足ですぎる。前半は国がころころ変わるので、高校の歴史でもあっさりと通り過ぎるところ。でも、現在の中国につながる大変革が起きていた。 ・三国志の時代を過ぎて晋が統一したころから周辺民族が移住するようになった。主に北と西の遊牧民。農耕生活をはじめ漢族に同化するものもあれば、民族集団を維持するものもあれば、奴隷になったりするものもあった。漢族からは差別の対象になる。のちに国を作った時には、漢族にジェノサイドを行い、その逆も…
A Foucault Primer Discourse, Power and the Subject Alec McHoul 164p ISBN:0522845770 The Spectacle of History: Speech, Text, and Memory at the Iran-Contra Hearings (Post-Contemporary Interventions) Michael E. Lynch 368p ISBN:0822317389 Representing and Intervening: Introductory Topics in the Philosop…
大修館書店は昭和五七年から連続三十年間以上採録している。 「主題」は ある日の暮れ万に荒れ果てた羅生門で雨やみを待つ下人を主人公とし、死体から髪の毛を抜く老婆とのかかおりのなかで、その心理の推移を描きつつ、ひとつの美的な世界を創造しようとする。羅生門という題名に象徴される、自然と人事をつつみこんだ世界そのものを主題と考えたい。人間のエゴイズムの追求というように主題を要約する考え方も多い。(P58) としている。「自然と人事をつつみこんだ世界そのもの」が主題だというならば、世にあるほとんどの作品の主題は同じになってしまうので、納得できない。これは、以前「高等学校国語教育情報事典」(1992年大修…
1999年にでた第3短編集。でたばかりのノベルスをすぐ買ったはずなのに、中身をすっかり覚えていなくて、今回の文庫は再読とはいえまったく初読に等しい。何も思いだせなかった。 背信の交点 1996.10 ・・・ 信州からの帰りで「あずさ68号」に乗っていると、ある乗客・品野の様子がおかしい。松本をでたあと、容態が悪くなり、アトロピンを飲んで毒殺されたのだ。その男は浮気をしていて、その相手はあづさという。法月は浮気相手が「しなの23号」に乗っていて、男と浮気相手は松本駅でホームを挟んだ車中で相手の顔を見ながら毒を飲み心中したのではないかといいだす。実際そうだった。しかし穂波は、男の妻の態度に不信を感…