4月の10日を過ぎたころ、上越市高田へ出かけた。ここには瞽女(ごぜ)ミュージアムというのがあり、前から行きたいと思っていた。だが開館するのは土日だけとあって時間が取れずにいたのだ。 瞽女というのは知られているように、盲目の旅芸人だ。盲人の身で、旅支度の大きな荷物を背負い、三味線も背負って、遠くの辺鄙な村々を旅した。いま私が暮らしている長野県小諸市にも明治時代ぐらいには瞽女がやって来たという記録がある。しかも町の中心部から徒歩で2時間もかかる、街道からも大きく外れている山の中の集落だ。 こうした旅芸人などになぜ私が惹かれるのかは、私自身にも謎なのだが。 上越妙高駅で新幹線を降り、えちごトキめきと…