なんだかいつまでも続いている『折たく柴の記』です。 折たく柴の記 (岩波文庫) 作者:新井 白石 岩波書店 Amazon 新井白石は、荻原重秀が大っ嫌いだった、という前回の続き。 白石と重秀の対立の主要因は、貨幣改鋳。 経済を回せれば、貨幣の質は大きな問題ではない、と金銀含有率を下げて改鋳を重ねる重秀。 金含有率低下は改悪でしかない、と考える白石。 通貨は極論、紙でも石でも良いという重秀の貨幣観は、電子マネー(モノでさえなく、データ)によるキャッシュレス化がすすむ現代からすれば、完全に時代を先取りしている。 白石のせいで悪役のイメージがついていた荻原重秀の再評価は、その世界(学問のあたり)では…