人間、二度目というのは、妙に冷静になれるものだ。 手術室までの廊下を歩きながら、俺はそんなことを考えていた。 慣れた廊下、慣れたベッド 火曜日に入院し、水曜日が手術の日だった。 前回の入院と違うのは、心の準備が整っていることだ。あのとき俺は、転倒した翌日に緊急で病院へ向かい、気づけば手術の日程が決まっていた。右肩の激痛と混乱の中で、オペ室のベッドに乗せられた。正直、あの頃の記憶は所々霞んでいる。 しかし今回は違った。 オペ室までの廊下の長さ、天井の照明の並び方、手術台に移るときの微妙な高さの感覚。すべてがはっきりと、意識の中に刻まれていた。前回は恐怖と痛みで霞んでいた景色が、今回は驚くほど鮮明…