頬に傷とアザのある我が子がワゴンに載せられて運ばれて来たとき、私は妙に納得したのである。 なるほどこんなのが股の間から出てくるのだから、どこかでつっかえるのは当たり前のことであるし、この足で腹筋の内側から蹴られれば、痛くないはずがない。顔はまん丸でアンパンマンみたいに腫れ上がったところに未だ焦点の合わぬ切れ長の目、そしてこの傷とアザの具合である。これはまさしく「スカーフェイス」、ガッツと信頼で世を渡っていく男になるのやもしれない。 見れば、ミニチュアみたいな手指で以てわざわざピストルを作ってこちらへ向けている。これは自分の頭に吸盤をくっつけて、鉗子でむんずと顔面を掴まれて引っ張り出されたことに…