魔女の宅急便 (角川文庫) 作者:角野 栄子 角川書店 Amazon ほうきにのってお届け物をする魔女のキキのことなら、この本を読んだことのある人もない人も、よく知っているにちがいない。 魔女の仕事の代価は「おすそわけ」である。正直にいえば、それで食べていけるの?と心配になったし、はっきりと金額を提示してくれたほうがお客としてはさばさばとありがたいのに、とちょっと思ったりしたのだが……。ひとりだちにもいろいろな意味がある。「おすそわけ」って、気の置けない人たちの間でやりとりするものだと思えば、魔女のひとりだちって、つまり、ひとりぼっちでも生きていけます、食べていけます、ということではなくて、気…