日本経済の現状と将来展望を語るには、まず、日本経済が現在直面している深刻な危機から、考え始めなければなりません。 日本の景気低迷は、アジア金融危機の影響とも関連していますが、私は、日本の景気低迷の根本的な原因は、1980年代後半から1990年代前半にかけてのバブル経済と、その崩壊によって生じた不良債権という2つの後遺症にあると考えています。産業金融システムの悪化。 ●不良債権の問題 不良債権は、経済の生命線である資本循環システムにダメージを与えました。 1990年から1997年にかけて、日本の地価、証券価格、その他の資産価格は1,000兆円以上下落したと推定されています。この資産価値の下落は、…