もう6年ほど前になるだろうか、私は東京でプロになりたい写真家たちに向けてのポートフォーリオレビューを行なったことがある。 突き刺さるほどの彼らの真剣さを前にして私は身が引き締まる思いがした。さらに言えば、こんなにも多くの人々が写真に魅せられていることに感動しつつ、同時に彼らの歩む道の険しさを考えると目眩がしてきそうだった。 そんな中で面白い作品を作る写真家がいた。 彼はさまざまな公共の場、あるいは企業の前に設置されている不思議な彫刻を撮った作品を私たちの前に並べた。 それらの彫刻はまるで使い古された機械のようでもあり、巨人が忘れていったおもちゃのようにも見えた。 彼が言うには、東京都を始め地方…