私は普段、『聖書』は文語訳を読んでいるのだが、この頃は口語訳もいいな、と思うようになった。やっぱり、普段使っている言葉の方が頭にすっと入ってくるのである。 『詩篇』136:23を比較してみよう。まずは文語。 われらが微賤いやしかりしときに記念したまへる者にかんしやせよ その憐憫あわれみはとこしへに絶ゆることなければなり 次に口語。 われらが卑しかった時に われらをみこころにとめられた者に感謝せよ、 そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。 文語訳の「記念」という言葉の選択はすごくいい。日常の言葉の使い方からちょっと外れていて、そのためにハッとさせられる。 口語の「みこころにとめられた」とい…