壱番と書いて「センター」と読む。首が痛くなるくらい高く聳え立った摩天楼。ビルは高すぎるし、人間は面倒くさいし、愛なんて長続きしない。そんな新宿センタービルでイライラを抱えて仕事をする愉しみは名店が揃っていること。 イタリアン、中華、ハイチ、そして和食。国境を越えて、胃袋が旅をする。喧騒と疲労の合間に滑り込む昼休み。そんな一時間の中に、食べ物が心を修復する時間がある。 新宿のど真ん中で、毎日を戦う人たちの心を、料理がそっと支えている。食は燃料でもあるけれど、それだけじゃない。ここでは、名もなきサラリーマンも、孤独な物書きも、傷ついた若者も、誰もが一皿の前で平等になる。 新宿センタービルという無機…