某外食チェーンで食事をしている。机を覆うように並べられた沢山の料理のなかから鹿肉サンドをつかんでほおばる。中身がこぼれおちそうになってちょっとイライラして、食べ方が雑になる。 トイレのため中座し、個室の外へ出た。店内には広々とした座敷が広がっていた。開け放たれたふすまから庭園が見える。座敷の端まで進み、降りられるかと下を見ると、地面が思ったより遠くに見えた。ここは2階だったようだ。庭に植えられた木々のみずみずしい葉の色がやさしく目に映る。そよ風が座敷を吹き抜けていく。いい季節にここへ来たな、と思う。 もどろう、と後ろを振り返り、初めて座敷の畳一面に大勢の人が寝ているのに気がついた。みな一様に右…