心理学者のマズローが提出した「欲求階層モデル」。高校の「現代社会」のような科目にも登場するような有名な図であるが、あらためてこのモデルを考えてみると恐ろしいほどの「無理ゲー」になっていることに気づいた。 詳細はマズローの主著である『人間性の心理学 モチベーションとパーソナリティ』(1954年/1970年,産業能率大学出版部 1987年)に書かれている。 まず、人間には心理的動機づけをうながす基本的欲求が5つあり、この5つの基本的欲求が低次から高次へと階段のように階層化されている。低次の〈生理的欲求〉が満たされるとつぎに〈安全の欲求〉が登場し、この〈安全の欲求〉が満たされると〈所属と愛の欲求〉が…