1980〜84年、「LaLa」にて連載された、山岸凉子作の少女漫画。厩戸王子(聖徳太子)が美少年で超能力者でアダルトチルドレンで同性愛者、という奇抜な設定であるにも関わらず、少女だけでなく男性を含め幅広い層に支持された。物語の中核をなす厩戸王子と蘇我毛人(蘇我蝦夷)の二人をはじめ、魅力的で人間味あふれる登場人物達の感情や思索と、それに絡んだ複雑な歴史の一片を紐解くような鮮やかさで描いており、今なお読まれ続けている傑作少女漫画の一つ。
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『日出処の天子』舞台化! 能舞台という最小の空間で最大のドラマをおみせすることは、一つの挑戦であり大きな楽しみでもあります。 さっすが野村萬斎、たのもしいお言葉。 フツーに作ってもとても原作にかなわないでしょうから、“能 狂言”という特異な型で表現を試みるのは慧眼かも。期待したい。 yoneyumi0919.hatenablog.com
『バビル2世』の解析をせんとしてじっくり読んでいこうとしているのだけど面白すぎてどんどん読んでしまう。バビル2世自身はシリアスだけどヨミチームがおっかしいんですよ。ひゃっひゃ笑って読んで(だからあんまり分析する気にさせないに違いない)「あー楽しかった」で満足しそうだけど少し自制して書き進めてみましょう。 ネタバレしますのでご注意を。 2巻冒頭。『バビル2世』で唯一といっていい女子が登場する。浩一の同級生である由美子だ。浩一自身「由美ちゃん」と「子」を抜いて親し気に話しかけていることから(芸が細かい)ある程度の親密さがあったのだろうと思われるが「浩一くん」と何度も名を呼んで心配する由美子と違い由…
今日は『バビル2世』と重ねて考えてみたいマンガ作品について書いていきます。 萩尾望都『スター・レッド』と山岸凉子『日出処の天子』です。 なのでこの二作品のネタバレにもなりますのでご承知ください。 では本作もネタバレしますのでご注意を。 まずは萩尾望都『スター・レッド』(1978年~1979年) こちらは物語そのものではなく超能力を持つ主人公の描き方・表現が明らかに影響を受けている、という点をあげたい。 ヒロインのセイ・ペンタは火星で生まれた5世代目。ペンタというのは5世代目という意味である。 つまりセイ5世という名前なのだ。(ちょっと違うか)この「なん世代目かを必ず名乗る」というのが「バビル2…
今日は忌野清志郎の命日である。あれは2009年のことだった。思えば本格的に僕の精神疾患が酷くなってきた頃でもあった。もう25年も経つのか。キヨシロー、今日は書かないけれど、またいつかブログに書かせてもらうからな―。これでも結構書いてるんだぞー。イエイ。 今日書きたいことは「日出処の天子」という作品についてである。これは山岸涼子による日本の漫画作品である。1980年から1984年にかけて「LaLa」に連載されていた。そして1983年度、第7回講談社漫画賞少女部門を受賞する。 ということは、大学時代には既に知っていたはずである。しかし、記憶は朧気である。確か聖徳太子の話であること、その彼が実は超能…
光る君へ 「源氏物語」との接点 古文の授業 現代語訳 あさきゆめみし 日出処の天子 映画「新源氏物語」 大映 「デューン/砂の惑星」との類似点 源氏物語は平安時代の週間文春!? 光る君へ 前回は、NHKの大河ドラマ「光る君へ」に関連して「源氏物語」について書くつもりが、高校の古文の授業から展開して ”イントロクイズ” で終わってしまいました。 hanspotter.hatenablog.com 今回も似たような流れになるような予感が…。 「源氏物語」との接点 古文の授業 大部分の方は、「源氏物語」との接点は古文の教科書や参考書だと思いますが如何でしょうか。 古語辞典と参考書 現代語訳 古文の教…
山岸凉子による漫画「日出処の天子」は、古代日本の聖徳太子を描いた作品である。全7巻で、1980年から1987年にかけて白泉社「花とゆめ」に連載された。 本作は、聖徳太子こと厩戸皇子の幼少期から、蘇我氏との権力闘争、そして仏教の受容に至るまでの半生を描いている。 物語の中心人物である厩戸皇子は、幼い頃から聡明で、その才能は蘇我蝦夷に見込まれる。しかし、厩戸皇子は、人間の欲望や嫉妬といった醜い心にも気づき、次第に孤独感を抱くようになる。 そんな中、厩戸皇子は、蘇我蝦夷の妹である日羅と出会う。日羅は、厩戸皇子に唯一理解を示し、心の支えとなってくれる存在となる。 しかし、日羅は、蘇我氏の権力闘争に巻き…
山岸凉子さんは、少女漫画家24年組と言われる方々のおひとりです。山岸さんのほかには、青池保子さん、萩尾望都さん、竹宮惠子さん、大島弓子さん、木原敏江さん、樹村みのりさん、ささやななえこさん、山田ミネコさん、岸裕子さんなどがいらっしゃいます。 私は微妙に時代がずれていて、この中にはリアルタイムでは著作を楽しめなかった作家さんもいます。山岸凉子さんは、長期にわたり一線で活躍されていることもあり、リアルタイムでも読んできたし、以前の作品にも触れている作家さんです。 さて、やはりどうしても外せないのは、こちら。 www.kinokuniya.co.jp 山岸さんは、絵が独特で魅力的です。コマ割りも吹き…
仕事は何としているの?と聞かれれば、”通訳ガイド”と答えている。そんなこともあって、あまり真面目に見ていない時もあるけどNHKBSは大好き。そこで、ほかのこともやりながらテレビをつけていると、さっきまでやっていた内容が突然 ”聖徳太子”になっていて、聖徳太子の有名な絵がでてきた。 それで ”あれ、聖徳太子???” と言うと、うちの子が ”ママ、これ見てこの人が聖徳太子っていう人だってわかるんだね。すごいね!”と言ってくれるではないか。 うーん、すごいのかな。そこで ”この絵見たことあるでしょ。聖徳太子、知っているよね。”と聞くと、”だーれ、その”しょうとくたいし”って、” 。 ”Prince …
「日出処の天子」は山岸涼子が1980年~1984年にかけて月刊「LaLa」で連載してた名作漫画。 日本人で知らない人はいない聖徳太子が主人公。 1983年の講談社漫画賞少女マンガ部門を授賞。 初めにざっくりなあらすじを書きますと、厩戸王子(うまやどのおうじ・10才)と蘇我毛人(そがのえみし・14才)との出会いから物語はスタート。 毛人は朝廷一の財力を持つ大臣・蘇我馬子の長男です。 ある日、毛人は早春のまだ水の冷たい池を裸で泳ぐ少女を見かけ、その美しさと清純さの虜になってしまうんですが、それは厩戸王子の女装でありまして、王子ってばまだ10才のガキンチョなのに、頭脳&教養プラス美貌を持つ類稀なる神…
付録付きの漫画雑誌、りぼんを買ってもらうのが小学生だった頃の最大級の 楽しみだった。 付録の定番はお便りセットとかノートとかシールとか紙ものが多かった。 そんなものでも興奮するほどワクワクして使わずに大切にしまっておいたけど、 あれはどこへ行ってしまったのだろう。 漫画も少しお姉さんが読むような内容なので背伸びして読んでいた感じだった。 その中の作家で今でもファンの作家が、山岸涼子さん。 あの頃、巻頭カラーで連載されていたのがアラベスクというソ連時代の バレエのお話だった。なんとソ連時代! キエフ出身の主人公がボリショイバレエ団に入って、というような設定で 当時の小学生にとっては遠い遠い世界だ…