1980〜84年、「LaLa」にて連載された、山岸凉子作の少女漫画。厩戸王子(聖徳太子)が美少年で超能力者でアダルトチルドレンで同性愛者、という奇抜な設定であるにも関わらず、少女だけでなく男性を含め幅広い層に支持された。物語の中核をなす厩戸王子と蘇我毛人(蘇我蝦夷)の二人をはじめ、魅力的で人間味あふれる登場人物達の感情や思索と、それに絡んだ複雑な歴史の一片を紐解くような鮮やかさで描いており、今なお読まれ続けている傑作少女漫画の一つ。
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光る君へ 「源氏物語」との接点 古文の授業 現代語訳 あさきゆめみし 日出処の天子 映画「新源氏物語」 大映 「デューン/砂の惑星」との類似点 源氏物語は平安時代の週間文春!? 光る君へ 前回は、NHKの大河ドラマ「光る君へ」に関連して「源氏物語」について書くつもりが、高校の古文の授業から展開して ”イントロクイズ” で終わってしまいました。 hanspotter.hatenablog.com 今回も似たような流れになるような予感が…。 「源氏物語」との接点 古文の授業 大部分の方は、「源氏物語」との接点は古文の教科書や参考書だと思いますが如何でしょうか。 古語辞典と参考書 現代語訳 古文の教…
山岸凉子による漫画「日出処の天子」は、古代日本の聖徳太子を描いた作品である。全7巻で、1980年から1987年にかけて白泉社「花とゆめ」に連載された。 本作は、聖徳太子こと厩戸皇子の幼少期から、蘇我氏との権力闘争、そして仏教の受容に至るまでの半生を描いている。 物語の中心人物である厩戸皇子は、幼い頃から聡明で、その才能は蘇我蝦夷に見込まれる。しかし、厩戸皇子は、人間の欲望や嫉妬といった醜い心にも気づき、次第に孤独感を抱くようになる。 そんな中、厩戸皇子は、蘇我蝦夷の妹である日羅と出会う。日羅は、厩戸皇子に唯一理解を示し、心の支えとなってくれる存在となる。 しかし、日羅は、蘇我氏の権力闘争に巻き…
山岸凉子さんは、少女漫画家24年組と言われる方々のおひとりです。山岸さんのほかには、青池保子さん、萩尾望都さん、竹宮惠子さん、大島弓子さん、木原敏江さん、樹村みのりさん、ささやななえこさん、山田ミネコさん、岸裕子さんなどがいらっしゃいます。 私は微妙に時代がずれていて、この中にはリアルタイムでは著作を楽しめなかった作家さんもいます。山岸凉子さんは、長期にわたり一線で活躍されていることもあり、リアルタイムでも読んできたし、以前の作品にも触れている作家さんです。 さて、やはりどうしても外せないのは、こちら。 www.kinokuniya.co.jp 山岸さんは、絵が独特で魅力的です。コマ割りも吹き…
「日出処の天子」は山岸涼子が1980年~1984年にかけて月刊「LaLa」で連載してた名作漫画。 日本人で知らない人はいない聖徳太子が主人公。 1983年の講談社漫画賞少女マンガ部門を授賞。 初めにざっくりなあらすじを書きますと、厩戸王子(うまやどのおうじ・10才)と蘇我毛人(そがのえみし・14才)との出会いから物語はスタート。 毛人は朝廷一の財力を持つ大臣・蘇我馬子の長男です。 ある日、毛人は早春のまだ水の冷たい池を裸で泳ぐ少女を見かけ、その美しさと清純さの虜になってしまうんですが、それは厩戸王子の女装でありまして、王子ってばまだ10才のガキンチョなのに、頭脳&教養プラス美貌を持つ類稀なる神…
付録付きの漫画雑誌、りぼんを買ってもらうのが小学生だった頃の最大級の 楽しみだった。 付録の定番はお便りセットとかノートとかシールとか紙ものが多かった。 そんなものでも興奮するほどワクワクして使わずに大切にしまっておいたけど、 あれはどこへ行ってしまったのだろう。 漫画も少しお姉さんが読むような内容なので背伸びして読んでいた感じだった。 その中の作家で今でもファンの作家が、山岸涼子さん。 あの頃、巻頭カラーで連載されていたのがアラベスクというソ連時代の バレエのお話だった。なんとソ連時代! キエフ出身の主人公がボリショイバレエ団に入って、というような設定で 当時の小学生にとっては遠い遠い世界だ…
BE:FIRSTの供給がないうちに、別のネタを書きたいと思います。 何回か前に、竹宮さんと萩尾さんの話をしましたが、本当に私が今まで影響を受けたと思うジャンルの中で少女マンガというのは大きくて、これをなくしては現在の私のことは語れないというくらい。 小学生にあがらないうちに、マンガを読み始めて、最初に覚えているのは水野英子さんの「ハニーハニーのすてきな冒険」。初めて読んだ時のことをなぜかしっかりと覚えています。確か廃品回収の中に捨てられていたコミックで、それを引っ張り出して読みだしたら、やめられなくて、一気読み。近くの中学校の庭みたいなとこで地面に座り込んだままで。 同時期としては細川智栄子さ…
章軒が魅力ありすぎるのではないかと思うのですがそれでも、というかそれゆえに敬華と端木のつながりがより良く感じられます。 ネタバレしますのでご注意を。 一気に最終話まで観てしまいました。 パクトコネクトで思い出したのは山岸凉子著『日出処の天子』での厩戸皇子と蘇我毛人との関係です。 厩戸皇子は神仏の力を引き出して利用するほどの超能力を持つ超人ですが同時に自分では抵抗できない弱点も持ち合わせています。その欠点を補い皇子のパワーをさらに強化する能力を持っていたのが毛人でした。 そのことに気づいた皇子は毛人に「ふたりで力を合わせればどんなことでもできる」と呼びかけるのですが毛人はこれに答えませんでした。…
先週土曜の夜、東京ビエンナーレのプロジェクト「玉川上水46億年を歩く」で、活動の記録映画の上映会があった。 tb2020.jp 場所は「大手町の森」。東京駅に近い高層ビルの立ち並ぶ谷間に出現した3,600m²の森である。 www.asahi.com まるで自然林の中にいるような雰囲気のなか、映画上映とプロジェクト支援者らのトークを楽しんだ。 大手町の森でスクリーンをはって映画上映会 私は冒頭、私たちがなぜいまここにいるのかを138億年の宇宙史からお話しした。これについては別に書こう。 ・・・・・・・・・ どの国も公認の歴史叙述は自国中心主義的になる。専制政治の下では排外主義に歪められがちになっ…
河上麻由子『古代日中関係史 倭の五王から遣唐使以降まで』(中公新書)を読んだ。 2019年3月発行 河上氏は阪大准教授でまだ41歳。近年注目されている、「新進気鋭の」という形容詞がつく歴史学者だ。先日、考古学とその関連分野の優れた研究者に贈られる第33回「浜田青陵賞」が河上氏に贈られたのを知り、この本を手に取ったのだった。 私は、日本という「国のかたち」を知るには古代、とくに飛鳥時代が重要だと考えている。聖徳太子(厩戸皇子、うまやどのみこ)の存在はとりわけ大きく、後々まで日本人の精神を形成する基礎を作っている。そういう問題意識で、古代史を少しづつ勉強している。 河上麻由子氏。こういうプロフィー…
今週のお題「一気読みした漫画」 つらつらと挙げてみようか 日出処の天子 日出処の天子 完全版 1 (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ) 作者:山岸 凉子 KADOKAWA/メディアファクトリー Amazon 言わずと知れた、山岸涼子先生の歴史漫画です。 この1巻の表紙は聖徳太子です。 は?! っていう方は即ポチって読んで下さい。 昔読んだんだけれど、欲しくて、宅建終わったら読む!!と全巻買って読みました。 面白かった。昭和の漫画ですが、令和でも色あせない奈良飛鳥時代が舞台の漫画です。 絵が美しくて、勉強になって(史実の人物が沢山出てくる)、お話も面白くて、ネタバレ書きたい(笑) ちなみにB…
「活字を読みたい」って書いてはみたものの、そんな日本語あったっけ?と思い検索してみるとちゃんと「活字を読む」という項目があった。 「活字を読むことは、単に視覚的に脳にそれを入力するだけでなく、能動的に足りない情報を想像力で補い、曖昧な部分を解決しながら『自分の言葉』に置き換えるプロセスなのです。入力の情報が少ないほど脳は想像力を働かせるわけですが、逆に脳の出力はどうでしょうか。出力の場合は、入力とは反対に情報量が多いほど物事を想像して補うことになります」 ふうん。入力の話は何となく分かるが、出力の話はあまり分からない。まあ「活字を読む」という日本語が存在しただけで僕は満足である。 先日ふらふら…
トレンドワード100選 筒香嘉智DeNA復帰決定的 黄金のレガシーベンチマーク 営利目的 おおい済 友道先生 無敗の皐月賞馬 地上を救う者 弾道ミサイル 退職代行サービス 芝生の広場 活字中毒 パンデミック条約反対でデモ タイタニック号 ジャンプGIGA いれらぶ 乱闘騒ぎ 北宇治カルテット 苗字1位 馬体検査 川口の仮放免者700 三浦弦太 悟くん ラケシス ホロウェイ ベニボウズ ブンオレンジ ドローン攻撃 イランとイスラエル お困りのようだね Jackpot 不倫した 板谷由夏 萩原本部長 森唯斗 才木 メスガル ミサイル発射 デコトラーデ シンコペーション サンデーダウ キュアニャミー…
中国の中央集権国家の出現により、道家はその思想を桃源郷に追いやった - 坂本晶の「人の言うことを聞くべからず」 で述べたように、曹操が始めた屯田制が後の均田制へと発展する。屯田制だけでなく、曹操は袁紹の旧領地で布帛、つまり布での徴税を行っている。一方、曹操は董卓が廃止した五銖銭を復活させ、魏が成立した221年と227年にも五銖銭が鋳造されているが、すぐに鋳造は停止している。つまり農地の荒廃で農業生産力が激減したために、市場で食料が買えなくなり、貨幣経済が衰えたのである。そして貨幣の代わりに通貨の役割を果たしたのが、衣食住のひとつの衣となる布だった。布ならば、なんとか食料を買うことができたのだろ…
白泉社文庫の漫画を読んでいました。今回はその中から面白かったものをまとめました。 『ガートルードのレシピ』草川為 『綿の国星』大島弓子 『赤ちゃんと僕』羅川真里茂 『ニューヨーク・ニューヨーク』羅川真里茂 『メイプル戦記』川原泉 『笑う大天使』川原泉 『日出処の天子』山岸凉子 『ざ・ちぇんじ!』山内直実・氷室冴子 『ブレーメンⅡ』川原泉 『22XX 』清水玲子 『ガートルードのレシピ』草川為 少女サハラはつぎはぎの悪魔、ガートルードと出会う。彼は自分の設計図「ガートルードのレシピ」を探していた。体の一部を返してほしい悪魔や、ガートルードのレシピを狙う者たちと戦いながら、サハラとガートルードは恋…
こんにちは。TEI-ZAN操体医科学研究所の畠山裕美です。 私は読書というか、何かしら読むのが好きなんです。 これは子供の頃から変わりません。読むモノも、教科書、実用書、小説、マンガ、なんでもござれです。 しかしながら、本を読む人が困るのが「本が増える問題」です。 私の知っている方の中にも、床が抜けたとかは聞いた事があります。 なお、10年程前に、ScanSnapと裁断機を買って、蔵書の自炊に励み、大分本を減らすことに成功しました。 本が好きな人は、電子書籍はつまらないとか、面白味がないと言いますが、ある年齢になってくると、本の小さい文字が読みにくくなってきます。 私はド近眼なので、普通よりも…
「日本」という国名は、7世紀から8世紀初頭ごろに使われるようになったと考えられています。 具体的な史料が残っていないため、正確な由来や誰が名付けたのかについては諸説ありますが、一般的には以下のような経緯で名付けられたとされています。天武天皇の時代に「日本」という国名が表記されていたとされる飛鳥浄御原令(あすかきよみはらりょう)が施行された689年から、もしくはそれ以前から使用されていた可能性があります。 聖徳太子が隋の皇帝に送った文書で「日出処の天子」と表現し、日本を「日の出る国」と位置づけたことが、「日本」という国名の由来になったとする説もあります。 また、「日本」という国名が英語で「Jap…
札幌一丁目劇場で開催中の『あさきゆめみし』×『日出処の天子』展、大和和紀・山岸凉子札幌同期二人展に行ってきました 少女漫画はあまり明るくないのですが、白黒原画、カラー原画の生原稿はとても迫力がありかっこよかったです 手塚治虫先生に原稿をみてもらう漫画をパネルで公開してましたが、当時の緊張や高揚感が伝わってくるようで、とてもよかった 札幌近郊の漫画好きの方は、ぜひ訪れて欲しいです この展覧会は「北海道漫画ミュージアム構想」の一環として催された企画らしく、これを弾みに是非漫画ミュージアムを作って欲しいです。私も微力ながら応援してます
2024年3月8日から11日までの札幌旅行の記事のリンク集です。 展示と周辺情報 (公式サイト)『あさきゆめみし』×『日出処の天子』展 -大和和紀・山岸凉子 札幌同期二人展- 『あさきゆめみし』×『日出処の天子』展出展原画リスト(山岸分のみ) togetter「『あさきゆめみし』×『日出処の天子』展 まとめ」 8-11日記(主に展示周辺) 8-11日記(主に食べ物) 古本関連 8-11日記(主に本屋) 佐々木倫子さんの生年問題と漫研FIRE(札幌収穫) 北星学園八十年誌稿(札幌収穫) 上砂川市井史(札幌収穫) 展示と周辺情報 (公式サイト)『あさきゆめみし』×『日出処の天子』展 -大和和紀・山…
あさきゆめみしは mimiという漫画雑誌で リアルタイムで全部読んでた。 日出処の天子は コミックスを全巻持っていた。 東1丁目劇場で 開催されている2人展に 生まれつき漫画好きの私が 行かない訳がない。 たしか昨年 小規模ではあるが 中央図書館でも二人展をやっていて 気にはなっていたが行けず 今回こそは と、いさんで行った訳です。 北海道出身の漫画家は多く 日本中で3位だそうで 大和和紀 山岸涼子 両氏は 北海道に漫画ミュージアムを 構想してるらしい。 なので 多分札幌市がアンケートをとり 経済効果をリサーチしてる。 アンケート内容は 会場に来るまでの交通費は?とか 市内で買い物や食事などで…
この記事の説明。 この展示へ行ってきたときの話です。 (公式のお知らせページ)『あさきゆめみし』×『日出処の天子』展 -大和和紀・山岸凉子 札幌同期二人展-https://www.city.sapporo.jp/kikaku/shomu/popculture/asakiyumemisi-hiidurutokoro.html www.city.sapporo.jp 展示内容はこちらの記事参照。 『あさきゆめみし』×『日出処の天子』展出展原画リスト(山岸分のみ)https://mtblanc.hatenablog.com/entry/20240314/1710419876 mtblanc.hate…
この展示のリストです。 (公式のお知らせページ)『あさきゆめみし』×『日出処の天子』展 -大和和紀・山岸凉子 札幌同期二人展-https://www.city.sapporo.jp/kikaku/shomu/popculture/asakiyumemisi-hiidurutokoro.html www.city.sapporo.jp 原画以外に肉筆掲示物があったり、パネル掲示の絵や作品があったりするのですが割愛。 原画コーナーの出展物のみのリストです。 このリストは公式のものでなく、現地で私がとった該当ページのメモと記憶で構成したものです。まちがっている可能性があります。*1また、展示は会期中…
↓みたいなことをポストしました。 https://twitter.com/mtblanc_a/status/1766467848720036061 今日のことはまた落ち着いてから。とりあえずかつて作成した年表がご参考になったようでよろしかったです(言ってくれれば展示にあわせてリミテッド&ブラッシュ版を作成したのですが)。 pic.twitter.com/1ctLLYPUtb — 白峰彩子 (@mtblanc_a) 2024年3月9日 この写真はこの展示のものです(写真OKスペースです)。 (公式のお知らせページ)『あさきゆめみし』×『日出処の天子』展 -大和和紀・山岸凉子 札幌同期二人展-ht…
朝ごはん( ^ω^ ) pic.twitter.com/F3yWnM7QKB — たかの朱美 (@gohan_takano) 2024年3月9日 晩ごはん( ^ω^ ) pic.twitter.com/i73lGTS6eQ — たかの朱美 (@gohan_takano) 2024年3月10日 清見オレンジ🍊 pic.twitter.com/Kf6pkEsVy2 — たかの朱美 (@gohan_takano) 2024年3月10日 あの地震から2か月あまり。来週3/11(月)の #プロフェッショナル は、#能登 に生きるプロフェッショナルたちを追います。「たたきのめされた今だからこそ、試される」…
昨日は友人たちと一緒に、『あさきゆめみし』×『日出処の天子』展へ artexhibition.jp 大和和紀と山岸涼子のトークショーでは、想像していた通りのお二人だった! お二人ともお元気で、特に山岸涼子先生はバレエやっているためか姿勢がめちゃくちゃいい! どちらも30代〜40代の全盛期の頃の作品で、体力が一番あった頃だと言われていたけれども、それでもこんな大仕事を長年続ける力量とお二方の見た目の可愛らしさのギャップもまたよかった そして展示がまた素晴らしくて... モノクロ原稿の細かさ、カラー原画の優美さにひとつひとつため息... 「あさきゆめみし」も「日出処の天子」も昔は全巻もっていて、展…