聖(セント)三稜玻璃(プリズム)山村暮鳥 著 À FUTUR*1 (表紙) 聖(セント)三稜玻璃(プリズム)山村暮鳥 著 (以下空白) À FUTUR*1 まつてゐるのは誰。土のうへの芽の合奏の進行曲である。もがきくるしみ轉げ廻つてゐる太陽の浮かれもの、心の日向葵の音樂。永遠にうまれない畸形な胎兒のだんす(dance)、そのうごめく純白な無數のあしの影、わたしの肉體(からだ)は底のしれない孔だらけ……銀の長柄の投げ鎗で事實がよるの讚美をかい探る。 わたしをまつてゐるのは、誰。 黎明のあしおとが近づく。蒼褪めたともしびがなみだを滴らす。眠れる嵐よ。おお、めぐみが濡らした墓の上はいちめんに紫紺色の…