「エジプトの空の下 - 私が見たふたつの革命」飯山陽 <所感> イスラム研究者の著者が「アラブの春」にあった2011-2015年のエジプト生活にもとづくエッセイ。 しかし、たんなるエッセイではなくイスラム研究に対するエスノグラフィーの要素も満載。 特にイスラム教に対する論考は他のイスラム研究者とは確実に一線を画す視点であり、とても現実的。 宗教論は思想信条の自由と言う絶対的な御旗の元で論じられなくはいけない。 決してどちらかを否定するものではなく、異教徒の関わりで重要なことは互いへの信頼と敬意という。 (もちろん、いくら思想の自由があるとはいえ、犯罪行為はNG) そして女性である著者はエジプト…