政治家をどう選ぶかは人それぞれですし、勘と印象に頼る人がいてもよいでしょう。ですが理性的な立場から選ぶためには、何らかの手がかりが必要でしょう。現在の政治教育ではそのための手がかりを基本的には提供できていないのではないでしょうか。 政治と教育に日本独特の事情があるということは理解できます。しかし、それによって起きることは、義務教育終了時点、もしくは高校卒業時点で、政治について現実問題として何が起きているかを把握する術は、ほとんどないということです。政治の側を批判的なまなざしで見つめ直す術も持ち得ません。学習してきた理論から大きく離れた事態を目にして、いきなり「投票してください」と言われるのです…