とうやこ。 四国の少年も憧れたドーナツ形の湖 四国の小学生だったころ、社会の時間にはいつも地図帳を眺めていた。まだ見たことのない北海道に、ドーナツの形をした湖。池はあれど湖がほとんどない四国の少年にとって眩く輝いていた。いらい長らく北海道といえば、なぜか飼育ブームがあった阿寒湖のマリモと、ドーナツの洞爺湖というイメージができあがった。 成人し初めて北海道に行ったときは、なんといっても、まずドーナツの洞爺湖を見たいと思った。実際には、湖を中心にひとつの町、生活圏が形成されており、夢のようなドーナツの王国ではなく、人々の日常と支笏洞爺国立公園にもなっている雄大な自然をあわせもった、海のように大きな…