国境の長い峠道を越えると山国であった。豊後佐伯地方はそういうところである。 阿蘇山の大噴火による溶岩流が形成した大野平原から眺めるとその南側には見事なまでの山陵の壁が立ち塞がっている。その向こう側は山また山である。そこにある。 厚さ100kmはあろうかという地球表層のプレートの活動境界に付加体と称される地盤がそこに形成された事による。一般的にプレート境界では、広がる、狭まる、ずれる、という運動が起こる。これが地殻変動や火山活動を引き起こし大山脈や弧状列島を造る。造山運動である。プレートが狭まるところはその沈む込むプレート境界面の圧力で堆積物が剥ぎ取られ陸側に付加されていく。付加体である。おかげ…