同じ国、同じ年、別の経済(イメージ) 序章 同時に起きていることを、同時に理解できない理由 2020年代半ばの日本では、年収1億円超の高額所得者が4年連続で増加している。一方で、学習塾の倒産件数は年間40件を超え、過去最多水準に達した。同じ年、東京・豊洲市場では初競りのマグロが5億円を超える価格で落札される一方、地方都市では駅前一等地の大型商業施設が、テナント充足率3〜4割という「営業している廃墟」になっている。 これらを「景気の良し悪し」で一括りにすると、必ずどこかで無理が生じる。なぜなら、金の総量が増えたのではなく、金が流れる経路そのものが分岐したからだ。 同じ国、同じ年、同じ通貨の中で、…