「国宝」という映画が人気だそうだ。自分も、短い期間だが、人間国宝と言われた先生に手ほどきを受けたことがあり、人間国宝について考えてみた。 人間国宝は、正式には「重要無形文化財の各個認定の保持者」である。自分の理解としてだが、わかりやすく整理すれば、御先祖様から受け継いだ「伝統的な技術」を消失させないために、それを国家が認定し、保護を与え伝承を支えるための仕組みだ。歌舞伎で言えば、高い「技術」を持つ人が人間国宝となる。少し分かりにくいのは、芸能ではなく実物がある場合だ。陶芸の人間国宝は多い。陶芸家の作品にそのまま価値が与えられるのではなく、陶芸という「技術」に価値がある。 陶芸は伝統的なものだが…