主催:日本SF作家クラブ 後援:徳間書店
小説、評論、漫画、イラスト、映像、音楽など、ジャンルやメディアにとらわれず、対象年度内に発表されたSF作品の中からもっともすぐれた業績を選んで顕彰し、SF界の発展に寄与することを目的として、1980年、日本SF作家クラブにより創設された。
先日に届いた「ちくま」2月号を見ておりました。そういえば、表紙を担当さ れている市川春子さんが、先日に「日本SF大賞」を受賞されたとありました。 そうなんだ、当方は「ちくま」の表紙ではじめて知ったのでありますが、漫画家 として評価の高い人であったのですね。 宝石の国(1) (アフタヌーンコミックス) 作者:市川春子 講談社 Amazon そうなのかと思いながら、目次をながめてから新刊広告に目をとおすことに です。文庫の解説のところに絲山秋子さんのお名前を発見です。文庫の作者と 絲山さんお組み合わせが意外な感じを受けました。これは書店で文庫を手に して解説を見てみなくてはです。 その文庫は、次の…
Youtubeで偶然見つけた動画のなかで、町田康が「読みは創造的なもの」と言っていた。私は文学界隈の「読める」「読めない」云々が嫌いだ。国語的な「読める」「読めない」ではなく、文学的な「読める」「読めない」と言えば伝わるだろうか。作品の意図や背景を正しく理解し、それに応えてはじめて「読めた」と言える。つまり、作品を正しく理解できない奴は、読んだとしても、読めてはいない。なにくそ、である。読みを創る。ああ、これだったんだ、と思った。「読める」か「読めない」かではなく、読みを「創る」か「創らない」か。読みの跡地に御殿を建てる人もいれば、ささやかな小屋を建てる人もいる。荒れた資材置き場のごとく放置す…
この世界の痛みを取り除くために、すべての人類は死ななければならない。この、未熟とも思える極端な思想を成就させたのが『宝石の国』だったのではないだろうか。私は、フォスの言う「善と悪、知と愚、美と醜が混在する難しい生物」としての人間が好きだから、なんというか、残念だった。人類である「私たち」としての回答はなされなかった。『宝石の国』は「宝石たち」の物語だから、と言われれば、確かにそのとおりなんだけど。それに、この回答はフォス自身の答えだったのだろうか。この思想をフォスに植え付けたのは、他ならぬアユム博士ではなかったか。私は、フォスだけがアユム博士を超えられると思っていた。しかし、フォスはアユム博士…
月に囚われる、月の裏や月に纏わる物語に想像を掻き立てられる「そして月がふりかえる」「月景石」「残月記」の3篇の物語吉川英治文学新人賞日本SF大賞 「そして月がふりかえる」怪しげな月に心捉われた後に別世界が・・月の魔力なのか?この世界から別の世界へ迷い込む終わる時の見えない世の恐怖は異次元なのにリアルに感じる実は私も怪しい月の時に少しずれた世界に行くことになるかもって思ってしまう・・・。 「月景石」叔母の形見の石。枕の下に入れて眠ると月に行けると言う夢が恐ろしく現実的ではっと目覚めるってありますよねそれが石の力に魅かれるとかありそうな、面白そうな怪しい力・・時空間を超えてある世界に心が彷徨う物語…
よしながふみによる、少女漫画「大奥」(全19巻)が第42回日本SF大賞に選ばれた。このニュースを聞いてもあまり驚かなかったが、SFとしてガチで評価されてよかったと素直に思った。encount.pressジャンル分けするのが難しい作品だが、時代劇でもあり、歴史改編SF、またジェンダー作品とも言えるだろう。2010年に実写映画化され、2012年にテレビドラマと続編映画が製作された。終盤の幕末編もいずれ映画化されないだろうかと期待している。日本の江戸時代をモデルとした世界観。謎の疫病で男子の人口が急速に減少した社会において、統治機構の構成員が男性から女性に移っていく。この状況を背景に江戸城の大奥を中…
これからの世の中がどうなるのか・・・普通、未来を考えるのは楽しいものだが、今の時代はどうなのだろう。 // Covid-19の変異種との闘いが続く中、明るい未来に思いを馳せることは到底無理なことだろうか・・・ということはあまり考えず、どちらかといえば、AIやIoTなど新しいITが急速に普及しつつある日常にあって、将来はどうなるのだろうという思いから、「そうだ!SF小説に描かれている未来を覗いてみよう!!」と思い、なぜか手に取ったのがこの『ポストコロナのSF』だった。 ポストコロナのSF 本編は書き下ろしの短編小説19編からなる書き下ろしアンソロジーだ。 池澤春菜 まえがき 小川 哲 黄金の書物…