○ジャコモ・レオパルディ『断想集』(國司航佑訳、ルリユール叢書、幻戯書房)・・・イタリアの国民的詩人(『カントー』は脇功訳あり、名古屋大学出版会)の断章風エッセー。厭世観と同時に「本当の詐欺師は決してだまされる相手をみくびらない」など妙に老成した箴言が混じるところが面白い。愉しんだのですが、この叢書が凄い!ウージェーヌ・シューの『パリの秘密』(五巻!)、ユゴーの『笑う男』他、スタール夫人とか(シブイ!)、ネルシアのポルノグラフィとか、そして何よりかねて贔屓のシリル・コナリーの『不安な墓場』など、なんとも野心的なラインナップである。うーん、これは光文社古典新訳文庫以来の快挙ではないか。応援します…