敗戦時のギリギリの交渉の実態 敗戦による無条件降伏の中、進駐軍による直接軍政という最悪の事態を避けるべく奔走した外交の話。 玉音放送で日本国民は天皇自らの声で敗戦を告げられた。しかしこの時に日本は完全に終戦したわけではなかった。陸海海軍は本土だけで300万人以上が臨戦態勢にあり、この兵力を武装解除しないと進駐軍の直接軍政の危険があった。 新たに組閣された東久邇宮内閣は米国からの「フィリピンマニラの連合軍最高司令部に早急に使節を派遣するべし」との要求への対応に大わらわする。しかし使節の選択が難航、屈辱的な敗戦の使節となることを主立った軍人は拒否、使節派遣の日程がずれ込み米軍は日本の引き延ばしを疑…