週刊東洋経済7月26日号掲載の「ゲーム理論で読み解く関税交渉の行方」と題した、元米国務省チーフ・エコノミストエミリーブランチャードさんの記事を読んだ。その中で「囚人のジレンマ(*)」を援用した関税交渉論に大いに興味をひかれた私は、この発想に誘発されて、先の大戦での「ハル・ノート」を連想しました。「歴史から垣間見えたのは強者に対峙する弱者の交渉術つまり戦術である」 ハル・ノートはアメリカの最後通牒であったと今でも信じている人がいるようだ。しかし、ハル・ノートとは1941年4月米国務長官ハルから駐米野村大使に手渡された「日米了解案」に始まる外交交渉が煮詰まり同年11月26日ハルからアメリカ側の原則…