最初お金をもらって文章を書いたのは編プロに勤めていたときだった。編プロの先輩も副編集長も厳しくて、原稿が真っ赤っかになるのはいつものことだった。見もしないでゴミ箱にほかされたこともあった。編プロでつけられた謎のペンネームで書いてて、自分の名前は出してもらえなかった。文章書いたり取材したりするのは好きでも、仕事になった途端にそれは自分を100%出せるものじゃなくなる。でもわたしはあんまりそれが嫌じゃなかった。その代わりに金をもらっていると思っていたから、100%自由にならないことが、逆に好きなことで金を稼いでいることの証だし、そうやって自分を抑えてもものを書くことができるのがプロのライターという…