以前から気になっていることがあります。『古事記』や『日本書紀』の国譲りの物語の解釈についてです。 国譲りの物語は、苦労して国をまとめあげたオオクニヌシに対して、天孫といわれる神様たちが国譲りを迫るものです。 大陸から渡ってきた勢力(後のヤマト王権)を高天原の天孫とみなし、それ以前から存在していた出雲国(葦原中国)の王がオオクニヌシで、国譲りというのは、ヤマト王権が出雲国(葦原中国)を帰順させたというのが基本的な認識になっています。 そして、出雲国の場所としては、これまでは島根県の出雲大社が鎮座する場所と考えられていましたが、あの出雲大社は7世紀以降に造られたものであることがわかり、周辺に古墳な…