■ 明治前半期 ー筒袖以前の通学服ー 思想家・社会主義運動家の山川均(明治13~昭和33年・1880~1958、岡山県倉敷村〈現・倉敷市〉生まれ)は明治20年(1887)に地元の尋常小学校に入りましたが、その頃の小学生の姿を次のように述べています。※引用文中の太字は筆者 小学生の制服などというものは、もちろん無かったし、ツツソデもあまり着なかったので、たいていの子供は長いソデの着物に角帯をしめ、コンのマエダレ(マエカケ)を掛けていた。尋常科の時代には、まだシャツというものはなく、冬まれに羽織を着た子供もいたが、たいていはハンテンで、黒いエリのかかったのを着ているのが多かった。 (山川菊栄・向坂…