「春と修羅」(宮澤賢治) 序 わたくしといふ現象は 仮定された有機交流電燈の ひとつの青い証明です (あらゆる透明な幽霊の複合体) 風景やみんないっしょに せはしくせはしく明滅しながら いかにもたしかにともりつづける 因果交流電燈の ひとつの青い照明です (ひかりはたもち その電燈は失はれ) 「春と修羅」の冒頭を紹介した。これは、筑摩書房版「宮澤賢治全集」(第2巻)収載から引いた。読んでみた。宮澤賢治の生前に刊行されたのは、詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』(1924年)のみであったという。筑摩書房版「宮澤賢治全集」(第3巻には、「春と修羅・第二集」、が(第3巻)には、「春と修羅・第…