これはまだ赤い瞳の種族がいた頃の話。 「また喧嘩か。」 「どうせあいつらだろ。」 「ああ。また赤い奴らだってさ。」 赤い瞳の種族は少し気性が荒かった。 というよりは、感情の抑制が苦手だった。 すぐにカッとなる。怒ってしまう。 そう思われがちだが すぐに悲しくなる。すぐに落ち込んでしまう。 そんな種族でもあった。 しかし国内で起こった殺人。暴力。強盗。 そういった事件には多くの赤い瞳たちが 関与していたのも事実だった。 「あいつらを全て捕まえろ!」 そしてまた、この国は独裁者が支配していた。 各地では多くの赤い瞳が捕らえられた。 寝たきりの老人も、 街の医者で優秀であっても、 まだ言葉もわからな…