世の中には「物語の途中で終わってしまう作品」がある。 「続編を作る予定があったが、興行不振で続編がお蔵入りになってしまった漫画原作の実写映画」や「視聴率・売上不振で打ち切りが決まり、広げた風呂敷を畳み切れなかったアニメ」などが代表的なものとして挙げられるけれど、『星合の空』は、それらとは根本から異なる極めてイレギュラーな事態によって、やむを得ず「途中で終わらざるを得なかった」作品であった。 事実、本作のラストは前評判に違わない衝撃的なものだった――のだけれど、自分にとっては「未完」というトピックよりむしろ「度が過ぎるほど真摯に、“生き辛さ” を抱えた人々に向き合って作られた」その内容こそが何よ…