その独自の文体と社会性により、純文学作家として独自の地歩を固めつつある。今後の活躍がもっとも期待される作家の一人。
1997年「最後の吐息」にて第34回文藝賞受賞 2000年『目覚めよと人魚は歌う』にて第13回三島由紀夫賞受賞 2003年『ファンタジスタ』にて第25回野間文芸新人賞受賞
植物診断室
われら猫の子
虹とクロエの物語
在日ヲロシヤ人の悲劇
アルカロイド・ラヴァーズ
ロンリー・ハーツ・キラー
ファンタジスタ
毒身温泉
目覚めよと人魚は歌う
嫐嬲(なぶりあい)
最後の吐息
『茶の間の男ー語り下ろしインタビュー』(島田雅彦、大辻都・星野智幸インタビュー、1996.4、集英社)
茶の間の男
星野智幸著「ひとでなし」を読んだ。北海道新聞、中日新聞、東京新聞、西日本新聞、神戸新聞に、2022年8月~2024年7月まで連載していたもの。連載していたことは知らず、書店の平積みで帯のコピー、目次、初めの1ページと読んだら主人公の人生が気になり、すぐに購入を決めた。あの時の冴えた自分に感謝したい。 ひとでなし (文春e-book) 作者:星野 智幸 文藝春秋 Amazon 多かれ少なかれ、生きていくことはいろんな可能性の死だ。死んだ成分は新陳代謝のように剥がれ落ちていって、それでも何事もなかったかのように生きていかねばならないとぼんやり思っていた。 この物語は、そんなありえた可能性に「生」を…
昨日のほぼ日エッセイ・今日のダーリンで「考えても考えてもどうしようもない問題」について触れていた。ほぼ日刊イトイ新聞 - 昨日の「今日のダーリン」(毎日更新でバックナンバーは見れないため、2024/10/30の午前中くらいまで ↑ から読めます。) イトイさんが例に挙げたのは青春時代に戦争を体験した人について。加えて"この問題は、それぞれの人生にも大小ある。それぞれに答えを見つけられないまま生きているけど、そうやってずっと心のなかに保存されてるものがあってもいいと思う。それが人の個性をつくる。"というようなことを話していて、今まさにそういうことを考えていたので何度も読み返してしまった。 こんな…
X(Twitter)を眺めていたら、作家の星野智幸さんが朝日新聞に寄稿した記事が話題になっていたので読んでみました。部分的には(共感ではなく)同感しますが、賛同や「(一読を)推奨」する声が多いのにはやや戸惑いをおぼえます。一部引用させてください。言葉を消費されて 「正義」に依存し個を捨てるリベラル 星野智幸:朝日新聞デジタル「リベラルは正義」という感覚 ……。私は、自分が社会批評的なことを述べているとき、自ら世のリベラルな言説に合うように、もっといえば美味(おい)しく消費されるように盛りつけて差し出している、という嫌悪感をぬぐえなくなった。 それで理解に至ったのである。リベラルな考え方の人たち…
岸本佐知子の編んだアンソロジー「変愛小説集 日本作家編」を読んだ。 変愛小説集 日本作家編 (講談社文庫) 作者:川上 弘美,多和田 葉子,本谷 有希子,村田 沙耶香,吉田 知子,深堀 骨,安藤 桃子,吉田 篤弘,小池 昌代,星野 智幸,津島 佑子 講談社 Amazon 本書は『群像』2014年2月号の特集の書籍化で、岸本佐知子の翻訳アンソロジー『変愛小説集』の日本語版を誌上で作るという企画だった。私は昨年からの岸本佐知子ファンで、翻訳アンソロジーの方を先に読んで、日本作家編があることを知って戸惑った。翻訳しないんかい。でも佐知子の目利きは確かで、エッセイなどで紹介されている作品を読んで毎度衝…
一条真也です。『悲しみとともにどう生きるか』柳田邦男&若松英輔&星野智幸&東畑開人&平野啓一郎&島薗進著、入江杏編著(集英社新書)を読みました。タイトルからわかるようにグリーフケアの書です。著者の柳田氏は1936年生まれのノンフィクション作家。若松氏は1968年生まれの批評家・随筆家。星野氏は1965年生まれの小説家。東畑氏は1983年生まれの臨床心理学者。平野氏は1975年生まれの小説家。島薗氏は1948年生まれの宗教学者で、上智大学グリーフケア研究所所長。編著者の入江氏は「ミシュカの森」主宰で、上智大学グリーフケア研究所非常勤講師です。 本書の帯 本書の帯には、「誰に遠慮することなく、どこ…
一条真也です。俳優の三浦春馬さんが亡くなられました。クローゼットの中で首を吊って死亡していたそうですが、一条真也の映画館「東京公園」で紹介した映画を観て以来のファンでしたので、かなりショックを受けました。まだ30歳と若く、これからが楽しみだったのに残念でなりません。彼は生真面目な性格で、ネットでの誹謗中傷などを憎んでいたとか。今年1月、スキャンダルを報じられるなどした有名人に対するネット上のバッシングが激烈を極める現状に「立ち直る言葉を国民全員で紡ぎ出せないのか」との思いをツイッターで綴っていました。故人の御冥福を心よりお祈りいたします。さて、少し前に、ネットでの悪意などをテーマにした小説を読…
★★★☆☆ あらすじ ふとしたきっかけで手に入れた携帯電話でオレオレ詐欺をしてしまった男に、次々と不思議な出来事が起きる。 感想 これはある意味で自分探しの話なのだろう。人と接したりしている時に、これは本当の自分じゃないんだけどな、みたいなことを思うことがあるが、結局、それも含めて全部本当の自分だ。 なので、どんな自分も肯定するしかない。決して積極的に肯定するわけでなくても、これも自分なんだと認めることが出来たら楽になれる。 // 中盤あたりは訳が分からなくなってきて、とてつもなく辛かった。だが、終盤は面白くなって、結果、読後感はそんなに悪くない。 ランキング参加中読書 著者 星野智幸 俺俺 …