一条真也です。「無縁社会」などと呼ばれ、血縁と地縁の希薄化が目立つ昨今です。人間は1人では生きていけません。「無縁社会」を超えて「有縁社会」を再生させるためには、血縁や地縁以外のさまざまな縁を見つけ、育てていく必要があります。そこで注目されるのが趣味に基づく「好縁」というものです。そして、この中には、同じ映画を観る縁としての「映縁」があります。 『死を乗り越える映画ガイド』(現代書林) 「縁は冠婚葬祭業のインフラである」というのはわたしの口癖ですが、じつは映画と冠婚葬祭には密接な関係があると考えています。村上春樹氏は「映画鑑賞は祝祭的儀式である」との発言をされていますが、わたしも映画鑑賞とは儀…