紀元前770年〜紀元前403年
古代中国の時代区分の一。史書「春秋」に由来する。
周(西周)の幽王が乱にあって殺され(B.C.771)、その子である宜臼が東方の洛邑に遷都した年から晋が三分されるまで、370年近くにも及ぶ戦乱の時代をこう呼ぶ。
この時代は『覇者の時代』といわれ、諸侯の中でも特に強い力をもった『覇者』と呼ばれる人が、実権を失った周王にかわって諸侯を牛耳った。
覇者の中でも特に優れていた5人をまとめて春秋五覇というが、この5人が誰とするかについては諸説があり、現在最も有力な説は斉桓公・晋文公・楚荘王・秦穆公・宋襄公である。
「牛耳を執る(牛耳る)」「鳴かず飛ばず」など、故事成語の殆どが春秋時代から戦国時代の故事や書物に由来するものであり、書物の中でも孔子の言行録である『論語』は現代の日本においても知識人の必読書として揺るぎない地位を築いている。
また、春秋時代が終わる年については異説がある。
中原の超大国であった晋が韓・魏・趙の3国(『三晋』という)に分裂した瞬間がすなわち春秋時代の終焉のときである、という見解は同じなものの、それを”実質的に”分裂したとき(B.C.453)とするか、”形式的に”分裂したとき(B.C.403)とするかで意見が分かれている。
一応は”形式的に”分裂した年、すなわち紀元前403年が春秋時代の終焉ということで統一されているが、今後それが覆されることもありうる。