昭和五十五年。私が東海大学落語研究部に入部した時。國學院大落研・四年生に三優亭右勝(さんゆうてい うかつ)という先輩がいた。これは、伝統の名前で落語の腕が確かな者しか継いでいない。 この右勝さんは、今も若木家元翁(わかぎや がんおう)の名でアマとして高座に上がり続けている。学生時代は「渋谷三大学落語会」という共演会で東海大の切奴(きりど・現・昇太師匠)さんと共演ている。元翁さんは「唐茄子屋政談」切奴さんは主任で「寝床」だったと記憶している。 先日、元翁さんからメールが届いた。「今年の、『元翁・彦柳の会』はコロナ渦の為、中止に致します」とのことだ(彦柳さんは青学・落研伝説のOB。元翁さんと同期)…