表題の興行が2022年11月13日(日)に鹿児島市の黎明館で催された。主催は落語を愉しむ会。『ゆるいと亭』様のお席である。 演者の三代目桃月庵白酒師匠は芸歴三〇年。当地鹿児島のご出身。里帰り興行である。同日、同市の別の箱でこのたび真打昇進した春風亭柳雀師匠も里帰り興行を行っている。こちらは郷土で初独演会とのこと。 白酒師匠は冒頭「芸歴30年なんてね」「この世界50は若手」「金翁師匠なんか80年もされて」と、特に節目を意識されていないようだったが、演目を振り返ってみると、何か期するものがあったのではないか。ネタは「代書」「甲府い」「宿屋の富」だった。「代書」はこれから就職しようとする主人公の前向…