三十年余りの会社人生が一区切りしました。 走馬灯のように ― というと使い古された言い回しになってしまいますが、帰りの電車の中で過去の出来事が次々に浮かんでは消えていきました。不思議なことに良い思い出しか浮かんでこなかったのは、これまで私を支えてくれた多くの人たちのお陰です。 退職に際して、部内の有志で私の入社以来の略歴を作ってくれました。私の“歩み”の横には世の中の動きが並んで書かれていたのですが、改めて三十年という時間の長さを感じさせるものでした。 入社前後の歴史的な事件というと、湾岸戦争、ベルリンの壁崩壊、ソビエト連邦解体が挙げられます。三十年前の出来事ともなれば歴史教科書の話ですが、私…