2019年香港の民主化デモを描いたドキュメンタリー。映像で観るその様相はデモというより内戦で、香港は戦場だった。体制維持のためなら自国民を粛々と殺す「国家の実相」が映っている。普通選挙の実現などを要求したデモ参加者は、香港市民700万人のうち200万人にのぼった。参加者の中心は10~30代の男女で、SNSを駆使し、機動的な戦略を実行する。それでも、負けるとしか思えなかった。 絶対に国家が勝ち、一切の要求を受けつけないという確信。空撮が捉える「水のように」を合言葉に走り回り、助け合う聡明な市民たち。しかし、たとえ参加者が300万人になっても400万人になっても勝てないだろう。国家のリソース(武力…