笑いの臨界点 #10 時報がずれる夜 笑いの臨界点 #10 時報がずれる夜 深夜。作業をしていたら、ふいに「ピッ、ポッ、ピッ、ポーン」と時報が流れた。 時計を見る。まだ23時57分。三分も早い。 スマホを見る。23時59分。こっちは一分早い。 壁の時計は、なぜか23時55分。 部屋の中の“時間”が、三種類に分裂していた。小さく笑ってしまう。 どれが本当なんだろう。正しい時刻を探しているうちに本当の0時が過ぎてしまった。 窓の外は静かで、隣のマンションの廊下の灯りがひとつだけ消えた。世界が遅れてついて来ているみたいだ。 そういえば最近、心の中の時計もずれていた気がする。焦りすぎる日もあれば、何も…