→高村智恵子
高村光太郎の愛した女性。 精神を少しずつ蝕まれ、サナトリウムで過ごす。 切り絵はそれでも美しく、そうしてそれは「智恵子抄」にもあらわれている。
「智恵子抄」は光太郎の、切り絵だ。
”東京には空がない”(『智恵子抄』所収「あどけない話」)”いやなんです、あなたのいつてしまふのが”(同「人に」)などなど、どこかできっと聴いたフレーズがあるはず。
詩集『智恵子抄』の智恵子と光太郎の姿が、波に遊ぶ海の小鳥、チドリたちとともに、本当にここにいたんだと感じ思い浮かべてしまい、とても感動しました。心を病んだとても悲しい智恵子と高村光太郎の九十九里浜高村光太郎詩集『智恵子抄』におさめられた詩、「風にのる智恵子」、「千鳥と遊ぶ智恵子」は、ずっと心に響き続けてある詩です。わたしにとって詩は、ひとであることのかなしみの海の波、いのちの海の小鳥、空からこぼれ落ちた流れ星の涙の滴、貝殻となった星のかけら、でしかありませんから。