🍁【源氏物語198 第十帖 賢木10】斎宮の御禊の式が行われた。源氏は斎宮の大人びた手紙に胸がなった。 〜十六日に桂川で斎宮の御禊《みそぎ》の式があった。 常例以上はなやかにそれらの式も行なわれたのである。 長奉送使《ちょうぶそうし》、 その他官庁から参列させる高官も 勢名のある人たちばかりを選んであった。 院が御後援者でいらせられるからである。 出立の日に源氏から別離の情に堪えがたい心を書いた手紙が来た。 ほかにまた斎《いつき》の宮のお前へといって、 斎布《ゆふ》につけたものもあった。 いかずちの神でさえ恋人の中を裂くものではないと言います。 八洲《やしま》もる 国つ御神《みかみ》も こころ…