7月20日から8月8日までの土用の期間中を「暑中」といい、この時期にだす夏の挨拶状のこと。暑中お見舞い。
この期間は二十四節気中の「大暑」ともほぼ重なる酷暑の時期にあたり、江戸時代には夏負けをふせぐ食べ物をみやげに持参した。
はがきによる暑中見舞いのやり取りが習慣化するのは大正時代からである。これは年賀状と同様、明治以降の郵便制度(→ 郵便)の発達によるもので、現在ではくじ付きの暑中見舞いはがきも発売されている。ひさしくあう機会のない知人や目上の人などに対するご機嫌伺いとしての暑中見舞いのやり取りは、日本独特のうつくしい習慣といえる。また、最近は中元のお返しなどの贈答を、暑中見舞いとして贈るケースもふえている。
日本郵便は、暑中見舞い用のはがきとして「かもめ〜る」を発売している。
なお、立秋(8月8日)をすぎてからの見舞いは残暑見舞いとなり、挨拶状の冒頭の句も「暑中お見舞い申し上げます」から「残暑お見舞い申し上げます」にかわる。日本人は古来、こうした四季折々の日常的な行事によって、季節の移り変わりを実感してきたのである。
→残暑見舞い
アメリカやイギリスには暑中見舞いを出す習慣はない
「暑中見舞い」を英語に訳すとなると「a summer greeting card inquiring after a person's health」。