監督:豊田四郎 原作:志賀直哉 脚本:八住利雄 音楽:芥川也寸志
志賀直哉の代表作で、一時、「日本語文の最高峰」と賞賛された。1959年に映画化された。
小説。志賀直哉作。1921(大正10)〜37年(昭和12)「改造」に発表。強烈な自我を有する時任謙作が、出生の秘密や妻の不義に苦悩し、自己と外界との葛藤(かつとう)にいらだちながら、やがて大自然(宇宙)の中に平安を得るまでの心理を描く。三省堂提供「大辞林 第二版」より
小説。志賀直哉作。1921(大正10)〜37年(昭和12)「改造」に発表。強烈な自我を有する時任謙作が、出生の秘密や妻の不義に苦悩し、自己と外界との葛藤(かつとう)にいらだちながら、やがて大自然(宇宙)の中に平安を得るまでの心理を描く。
三省堂提供「大辞林 第二版」より
暗夜行路 (新潮文庫)
今回は、志賀直哉 作の『暗夜行路』を読みました! なかなかの長編で読むのが大変でしたが、読み応えありました😄 books.rakuten.co.jp 《作者紹介》 志賀直哉 1883年、宮城県生まれの小説家で、「小説の神様」と称せられのちに多くの小説家に影響を与えるものとなる。 学生時代、女義太夫*1に熱中し、その影響を受け小説家を目指す。 武者小路実篤や谷崎潤一郎と親交があり、夏目漱石をとても慕っていた。 引越しを数多く行なったことでも有名で、広島や京都や東京などに移り住み、生涯で23回も転居をした。 代表作に『暗夜行路』『城の崎にて』がある。 《あらすじ》 前編 主人公の時任謙作は、両親に…
暗夜行路:3回目の通読 暗夜行路をはじめて読んだのは中学2年生の時。 当時武者小路実篤にはまっていて親友志賀直哉の代表作ということで読もうと思った。 だがこの時は序の箇所はわかったけど 本編に入ったら意味不明状態になり途中でやめた。 最初の通読は高校の時だが 結局ほぼ何もわからずつまらなかった。 2度目の通読は40歳くらいの時。このときは割と面白かったが全体としてのこの小説を認識できなかった。いったいこの愚かな時任謙作の何を書きたいのだろう?(笑)そんな気持ちが半分以上あった。 そして今回、3回目になるが 還暦を過ぎて熟読した いろいろ書こうと思ったが再び動画でしゃべる そしてついにこの作品暗…
2024年5月18日 私のブログ「オルフェウスの歌」の書籍化が決まりました。 書籍のタイトルは『受容から創造へ ― 文学・芸術に導かれて』です。 ブログ記事に手を入れ、新たに漱石論を書き下ろし、増補改訂版を編集しました。 詳細については本記事末尾のリンク先をご覧ください。 www.youtube.com 「ウィーン写本」(6世紀)より、サラマンダー(Bing image creatorによる作図)www.google.com 大山、中海と大根島 Google Earthより後書きです。 拙書『受容から創造へ 文学・芸術に導かれて』 作品社 是非、お手にとってみてください。 〇アマゾンへはこちら…
今週のお題「読書の秋」 私は、志賀直哉/著 「暗夜行路」の文庫本を持っている。 持っている。読んではいないのだ。 これは社会人になりたての頃、大学時代の友人と奈良県にある志賀直哉旧邸を訪れた後に買ったものだ。 私は学力こそないが、高校〜大学にかけて、水を浴びるように本を読んだ。電車での通学時間はもちろん、各休み時間、ついて行けなくなった授業など、常に本を持ち、空想の世界にいた。 友人はそんな私の姿を見ていたこともあり、気軽に、「志賀直哉、なにか読んだことある?」と話しかけてきた。私は「ないな…というか暗夜行路しか知らない、何も持ってない…」「次会うまでに暗夜行路読んでおくわ!」 それから約10…
豊田四郎監督 1959年 ふや町映画タウン所蔵の日本映画傑作全集VHSで鑑賞。 movies.yahoo.co.jp タイトル通り池部良演じる主人公がふさいだり、自分の気持ちをなんとかしようともがく筋立てなのだが、後半の悩みのターゲットである山本富士子演じる妻が可憐で可憐で、起きた事態は事態として気の毒になってしまう。彼女にも心の隙があったり反省点はあるだろうが、主人公謙作だって淡島千景演じる、身の回りの世話をしてきてくれたお栄さんへの想いとか行動とか中途半端で罪作りな感じだったし、心の中の整理がつかないのはしょうがないし、そういう物語なんだけど、付き合ってるこっちは他人事なものだから、つい辛…
193.『帰ってから』1日1回(4)――女景清と和歌山の夜 もうひとつ、こんなところに女景清の逸話が長々と挿入された理由についてだが、この逸話の前半部分「夏の夜の夢のような儚い関係」が、1ヶ月前の和歌山での二郎とお直の、「一夜の夢」と対になっていることは、論者には疑いようがないと思われる。 同居する同年くらいの男女。男が坊っちゃんであること、女が積極的であったらしいことも共通している。2人の関係はどんな形にせよ生き通せるはずもなく、男が生涯女の後塵を拝することになるのも、(彼らが別々に生きたとしても)そうなることは、また目に見えている。 短気だが呑気なところもある二郎は気が付かなかったのだろう…
大地を一歩一歩
一 二様の声 『仮面の告白』(一九四九昭24・7、河出書房)の中には二様の声が響いている。それは〈まだわからなかつた〉という声と、〈理解しはじめてゐた〉という声である。では、何が〈わからなかつた〉というのか? ――むろん〈異常性〉が、すなわち自分が「倒錯者」(第二章)であるということが、である。ここでは、現在の「私」が過去の己れの行状を〈異常性〉の有無について逐一検証し、さらに、その時々における自覚の度合いをも問題としながら語るのだ、と見えるのだ。いわば、それが『仮面の告白』における「告白」の基本的な姿勢であるかのように。すなわち、二様の声は、あたかも「告白」と称する路線に沿って立てられた信号…
2月20日(土)、晴れ。 前日「イオンシネマ板橋」で、土井裕泰監督『花束みたいな恋をした』を、午前9時10分からの上映分、予約。 その日、アパートを少し早く出て、発券をすませてから、あいているテーブルで、志賀直哉『暗夜行路』の最終部分を読了。 暗夜行路 (講談社文庫)作者:志賀直哉発売日: 2019/10/11メディア: Kindle版 なんどか読んでいるけれど、Kindle版ははじめて。読みやすかった。 鳥取の大山(だいせん)中腹から主人公・謙作が眺める雄大な描写は、毎回読むたびに小説家の文章のすごみを感じないでいられない。一度も行ったことないのに、大山から見る朝の光景‥‥広い海と米子(よな…
16.『三四郎』汽車の女(2)―― 暗夜行路の山陽線(つづき) 〔番外篇3〕 ここで前項でふれた『暗夜行路』の当該部分を引用する。(時任謙作が三角巾で頬被りしているのは中耳炎に罹ったため。) 支度は早かった。隣りの老夫婦も手伝って一時間たらずで総ては片付いて了った。婆さんは荷造りを手伝い、爺さんは電燈会社や瓦斯会社などの払いに廻った。 尾道には急行は止らなかった。彼は普通列車で姫路まで行き、其処で急行を待つ事にした。 午少し前、彼は老夫婦と重い旅鞄を下げた松川に送られて停車場へ行った。 大袈裟に三角巾で頬被りをした謙作が窓から顔を出していると、爺さん、婆さんは重い口で切(しき)りに別れを惜んだ…