「ぼくがまだ死人であることに慣れていないのかもしれない。だがこの場所でも、この議論も、ぼくには夢にしか思えないのだ。それも、ぼく自身がみている夢ではない。これから生まれようとする別の人間によって夢みられる夢、だよ」 ボルヘス『死者たちの会話』 私はあいつが死んでも悲しくない。だから早く死んでほしい。しょうがないよ私のせいじゃないんだし。言い訳をさせてもらうが私だって進んでこんなことはしたくなかったし気分だってそんなにはよくない。誰かが私の代わりに死んでしまってラッキーなんてほど私は冷血漢じゃなくただ平均よりちょっと生きるのが好きじゃない、程度には生きていたかっただけでちょっぴり悪い、とも思って…