本の紹介文、ブック・レビュー。 通常はいわゆる新刊本について行われることが多く、読者の書籍選びにあたって参考に供する意味を持つ。
ニッポンの書評 (光文社新書)
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怪談本の感想文を書くのはずいぶんひさしぶりだが、年明け早々、素晴らしいものを読んだので。 実話拾遺 うつせみ怪談 (竹書房怪談文庫) 作者:丸太町小川 竹書房 Amazon 竹書房の怪談マンスリーコンテストが輩出した著者による初単著。帯には「ヴァナキュラー怪談」との惹句が踊るが、ネット怪談によくある「因習めいた村の陰惨な歴史……」といった見世物小屋性とは一味も二味もちがった趣き。 土着の風習や家族ルールにまつわる話、余人には理解できないが、物語の背後になんらかのいわくを感じさせる話、これはなに? と呆気にとられてしまう話、エモ怖、格調高いルポ&歴史怪談……など、内容はバラエティに富んでいるもの…
こちらの続きです。 こちらで紹介されている中国やイギリスや台湾やアメリカでも不動産価格の高騰・郊外の衰退などはありそうなので、所有権法制だけの問題なのかという気はしてきますが、色々と興味深かったです。 新しい隆盛のための礎石―土地は所有から利用へ〈下〉 作者:山口 健治 東京リーガルマインド Amazon 以下メモです: ・日本は景気サイクルが他国と違う・不規則という指摘が内閣府「日本経済2004」という報告書にある ・日本は不況期に租税等収入が著しく減る。国債発行費が増える。 ・日本ではどのように土地を利用するか、どのように国民が公平に土地を利用できるようにするかではなく、誰がその土地を持ち…
『土地は公共財』という本が面白かったので、国民経済計算周りや各国の土地制度の深堀りが書いたありそうなこの本を読んでみました。 同じことが何回も書いてある、「土地を公有化するべき」という結論が唐突に何回も出てくる、と元大蔵官僚の書いた文章としては雑なところもありましたが、やはり結構面白かったです。 以下メモです: ・地租改正で、無償で土地に対する私権の設定を行い、評価額の3%を金納させることを定めた。私権の設定により土地売買が可能になった。これは日本古来の土地制度を根本的に変えたが、対外的には税制を変えた旨の説明をしていた ・我妻民法の考え方「私人の創意に基づいて財貨の独占的利用をさせることが最…
非常に面白い本でした。 以下メモです: ・1948年頃の借地率は70%前後だった。横浜や函館などの新興都市、東京区部のような大名屋敷跡地が借地率が高かった。戦後はどの都市でも下落。 ・明治10年~45年までの物価の影響を取り除いた平均地価上昇率は9%。1955年~1985年も同程度。 ・地租改正で、町地の沽券地上の借地はそのままだったが、武家地の借地が消滅したと思われる。 江戸の借地が東京の借地になったわけではない p87 ・日清戦争後の明治末になり資本主義的な産業構造が確立すると、三菱や三井は資金を土地取得ではなく鉱工業部門に振り分けた。また、少し土地を処分している。借地借家法制定前には三菱…
《内容》 ハイソサエティの退廃的な生活。それをニヒルに眺めながらも、そんな世界にあこがれている作家志望の男娼。この青年こそ著者自身の分身である。また実在人物の内輪話も数多く描かれていたので、社交界の人々を激怒させた。自ら最高傑作と称しながらも、ついに未完に終わったため、残りの原稿がどこかに存在するのでは、という噂も。著者を苦しませ破滅へと追い込んだ問題の遺作! これは大人の小説だわ。 カポーティの最後の作品である本作の後に初期短編集を読んだんだけど、この読み順最高にエモいです。最高傑作かもしれない。でも、夢も希望もない。小説的な文体とか技術とかそういうのはカポーティにとって最高なのかもしれない…
マッキンゼーのシニアパートナー3名による共著。優れたCEOを200名抽出し、そのうちの数十名に直接インタビューして、優れたCEOの取り組んでいる仕事は何か、そしてそれらの仕事にどんな考えを持って取り組んでいるのかを明らかにした本。 既にCEOとして日々奮闘している人にとっては当然大きな示唆をもたらす本だと思うが、それ以外にも、将来的には企業経営を自分でしてみたいと考えている人や、普段CEOと関わりのある仕事をしている人にも、読む価値がある本だ。僕が考える、本書の素晴らしい点は大別して3つある。 1つ目は、CEOの役割を過不足なく、かつ明確に示している点である。本書では、大きく分けて6つの役割、…
定着と離職のマネジメント「自ら変わり続ける組織」を実現する「計画的人材流動性」とは作者:曽和 利光ソシムAmazon 読んだきっかけ 会社を運営している人にとって、社員の離職というのは常に頭痛のタネになっていると思います。私はなっています。 なので、こういう系の本はイヤでも目にとまるのですが、この本は社員に留まってもらう方法だけでなく、適切な離職についても論じている本ということで、Twitterで流れてきたのを目にして気になってAmazonで購入しました。 感想・レビュー まず、元リク本(元リクルートの人が書いた本)なのでリクルートの話です。 本の要旨は、変化の多い時代なので必要な人材はその時…
こんにちはしろはです。今回は『ぼくのメジャースプーン』(辻村深月/著)を紹介します。※本文にはネタバレを含む場合がありますので、ご注意ください。 ぼくのメジャースプーン (講談社文庫) 作者:辻村深月 講談社 Amazon あらすじ 人物紹介 感想 ネタバレありのコメント 全体を読み終えての感想(ただの独り言) 何を伝えたかったのか(これもただの独り言) あらすじ 忌まわしいあの事件が起きたのは、今から三ヵ月前。「ぼく」の小学校で飼っていたうさぎが、何者かによって殺された…。大好きだったうさぎたちの無残な死体を目撃してしまった「ぼく」の幼なじみ・ふみちゃんは、ショックのあまりに全ての感情を封じ…
永井荷風や織田作之助が好きな僕が面白いと思える一冊。明治期の東京に住む筆者を通して江戸期の風俗が垣間見ることができる。「逝きし世の面影 渡辺京二」の世界のようでもあり、現代に生きる僕の日常におきる付き合いの世界のようでもある。 文豪夏目漱石のイメージとはまた違う、近所のおじさんとして身近にいれば普通におつきあいできるのにと思わせる。「こころ」「草枕」なんかの女々しいばかりの重畳的な文章に読みにくさを感じていたが、こんな人がかいているのか、と思うと”女々しい文学作品”であっても再読したくなる。筆者と読者の間を隔てる霧が少しばかり晴れるような思いがする。 しかし江戸の地名って、それだけで物語を感じ…
www.seidosha.co.jp 食品ロスの問題は日本でも度々話題となっている。北欧のスウェーデン、デンマーク、オランダの食品ロスへの取り組みが、筆者の取材を基に具体的に紹介されている。 筆者は「食品ロス」をテーマにYahoo! ニュース個人に記事を掲載している。2018年、それが評価されYahoo! ニュース個人オーサーアワードを受賞。受賞によって、2019年北欧に行き取材できることとなり、Yahoo! ニュース個人に取材記事を書いている。この本は、それら取材記事と、取材の振り返りがまとめられている。 ざっくりというと・3R(スリーアール)を守りましょう。・賞味期限を過ぎても、おいしく食…
#真相をお話しします作者:結城 真一郎新潮社Amazon Kindle版もあります。#真相をお話しします作者:結城真一郎新潮社Amazon 私たちの日常に潜む小さな"歪み"、 あなたは見抜くことができるか。家庭教師の派遣サービス業に従事する大学生が、とある家族の異変に気がついて……(「惨者面談」)。不妊に悩む夫婦がようやく授かった我が子。しかしそこへ「あなたの精子提供によって生まれた子供です」と名乗る別の〈娘〉が現れたことから予想外の真実が明らかになる(「パンドラ」)。子供が4人しかいない島で、僕らはiPhoneを手に入れ「ゆーちゅーばー」になることにした。でも、ある事件を境に島のひとびとがや…
202……3年!!! 今年こそもう少し自分のために長めの文を書きたい。最近、とくに本を読んだ日は書きたいことが多くて、キャンパスノートに書いている日記では1日1ページとか使ってしまう。 今月は家族にいろいろと大変なことが多くて、自分が歳をとっているんだな〜と感じた。誕生日に年齢が1つ上がっても大した意識の変化はなく、むしろ身近な周囲の変化によって自分の置かれた状況の変化を感じるなあ。 この土地にいるなら運転しないとな〜〜〜〜。久しぶりに運転したら緊張した。 読んだ本からいくつかメモしていくぞ! ジェンダーのとびらを開こう~自分らしく生きるために 作者:村田 晶子,森脇 健介,矢内 琴江,弓削 …
*「俳壇」40-2、2023.2.1、pp.196-197 。 *俳句関連の書籍紹介及び書評欄。中原道夫句集『橋』、杉原祐之句集『十一月の橋』、和田華凛句集『月華』を紹介した。
22年12月の書籍雑誌推定販売金額は972億円で、前年比5.7%減。 書籍は522億円で、同3.5%減。 雑誌は449億円で、同8.2%減。 雑誌の内訳は月刊誌が388億円で、同9.1%減、週刊誌が61億円で、同1.8%減。 返品率は書籍が29.0%、雑誌が37.8%で、月刊誌は36.4%、週刊誌は45.3%。 書店売上は書籍が8%減、雑誌は定期誌が3%減、ムックが4%減、コミックスが13%減。 ゲオのレンタルリサイクル50円コーナーで、大量に『鬼滅の刃』が売られていたが、 あの神風的ベストセラーはもはや完全に終焉したのであろう。1.出版科学研究所による1996年から2022年にかけての出版物…
いじめられっ子の主人公、高校生のシャーロットがグミをのどに詰まらせ窒息死するも、好きな男の子ダーメンをゲットするためにゴーストとして蘇り頑張るお話。 こうしてあらすじを書くと物凄く面白いお話っぽいのですが、登場人物ほぼクズなのでイライラしながら読む事になりました。 シャーロットも相当クズですが、他の登場人物もほとんど怒りのコントロールがヘタでシャーロット以外の人物もたいてい怒り狂っています。 なぜみんなそんなずっとイライラカリカリしているのか… シャーロットはダーメンにベタぼれなので他の人の事は全く考えずダーメンダーメンと恋に突き進んでいます。心底嫌いなタイプでした。 死んでからのシャーロット…
ブックオフ珍書発掘隊!! ビッグニュ―――――――ス!! あの、ブックオフ珍書発掘隊が新しくなって帰ってきた!!(プライムショッピング) というわけで、21冊目に発掘した珍書がこちら! 兵庫医科大学創設 森村茂樹―奉仕と、愛と、知と 著: 松本順司 神戸新聞総合出版センター 2014年4月1日発売 購入価格:220円(定価:2000円+税) 珍書度:★★★ 内容のまとも度:★★★★★★★★★ 森村茂樹の兵庫県の医療貢献度:★★★★★★★★★★★★ そのエピソードは墓まで持ってかなきゃダメだろ度:★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 本発掘録の目次: 1. なぜ本書を選んだか? 2.…
1月の読書メーター読んだ本の数:13読んだページ数:4545ナイス数:359脂肪の塊/ロンドリ姉妹~モーパッサン傑作選~ (光文社古典新訳文庫)の感想光文社古典新訳のこの本は、モーパッサンの多面的な文業やその魅力を紹介することをめざして編んだという中・短篇アンソロジー(全三巻)の第一弾。このシリーズは各巻に中編の秀作を最低二篇おさめ、他社の文庫で現在容易に読むことの出来る作品はなるべく除外するという方針で編まれているのだという。本書収録作品は「聖水係の男」「冷たいココはいかが!」「脂肪の塊(ブール・ド・スュイフ)」「マドモアゼル・フィフィ」「ローズ」「雨傘」「散歩」「ロンドリ姉妹」「痙攣(チッ…
著者:沢木 耕太郎 出版社:新潮社 2022年10月刊 2,640円(税込) 574P ご購入は、こちらから 沢木耕太郎の作品は第10回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した『テロルの決算』や第1回新田次郎文学賞を受賞した『一瞬の夏』など、初期の作品から愛読してきた。 しかし、紀行文の金字塔と呼ばれる『深夜特急』はなぜかページが進まず、読みはじめてから9年も経つというのに、全6巻ある文庫本のまだ第3巻に入ったばかり。カルカッタに到着したところなので、まだまだゴールは遠い。 おまけに、このブログをお休みしている間に長い文章を読む体力が落ちてしまい、本を広げて10分後にはまぶたが重くなってしまい、コ…
1ヶ月経つのが早いなあ……。つけ麺食べてみたりもしつつ、ゲームに読書にまあ色々と。 姪が久しぶりに来て一緒に遊んだり、下旬には仙台では珍しく積もるほどの雪が降って大変だったり。 数年ぶりに居酒屋時代の同僚と会って軽く飲んだり。振り返ると、意外と小さめの単発イベントがたくさんあった月ですね。
1月29日、夜、牧野邸で「岡崎武志出版記念会」を急きょ開いてもらう。半紙四枚分を張り合わせた大きな用紙に書名2冊と出版記念会と筆文字で書かれ、別に、この夜「火の車」(草野心平が開いていた酒場)のメニューふうに、ユニークな料理が並ぶメニュー表が張り出された。少人数でわきあいあいと夜を過ごす。メニュー表は、この夜来られなかったちくま文庫の担当、窪くんに送る。写真は撮ってあるので、「オカタケな日々」で公開します。 書評依頼のあった北村薫『水』をいかに書き出すか、頭を悩ませる。自転車をこぎながら、知らぬうちに「どこかへ行きたいなあ」と独り言を言っているぼく。夜9時前、書評を書いてなんとか送付。うまくい…
www.webdoku.jp 目黒考二さんの突然の訃報には驚きました。 『本の雑誌』創刊時の主要メンバーだった目黒考二さん、椎名誠さん、沢野ひとしさん、木村晋介さんのことを、僕は大学時代(いまから30年くらい前)に読んだ椎名誠さんの『哀愁の町に霧が降るのだ』から、『新橋烏森口青春篇』『銀座のカラス』『本の雑誌血風録』『新宿熱風どかどか団』と、ずっと読み続けていて、それぞれ個性的な4人の友情と悪戦苦闘を追いかけていたのです。 椎名さんは、「冒険」には程遠いけれど、「冒険小説」は好きだった僕にとっての憧れの男でした。 そして、就職先で椎名さんと出会い、本の話題で意気投合したものの「仕事するよりも本…
日本経済新聞の連載書評記事に「半歩遅れの読書術」があります。だんなは旋毛曲がりの臍曲がりですから半歩どころか三歩くらい、殊にベストセラーや文学賞受賞作品なぞは、巷間の潜熱が聢と冷めてから読む癖を持っています。 ために、今更ながら又吉直樹氏の「火花」と遠野遙氏の「破局」を読みました。どちらも芥川龍之介賞受賞作ですが、作品の印象は真逆でした。 「火花」は登場人物に共感し、感情移入し、揺り動かされて、嗚呼もうズブズブです。片や「破局」では、主人公に一片の共感も抱けません。余りに醜怪な精神心理の畸形と詭計には、とても寄り添うことなど出来ない。作者の企図するところでしょうが、小説と読者の関係は読み始めた…
・エンディング・ラブレター " data-en-clipboard="true">どうも管理人のポポリッチです。 私は65歳までまだまだ年齢があります。 人生道半ばという感じでございます。 しかし、最近、感じること。 10代から考えたらあっという間。 そして焦りも出てくる年齢でもあります。 本書を読み学びになることも多かったです。 書名:65歳になったら書いておく エンディング・ラブレター 著者:市川 弘美 出版社:すばる舎 出版年:2022年12月12日 ページ数:192ページ " data-en-clipboard="true">言わなくても分かっているでは気持ちは伝わらない。 大切な人に…
🔲「老害」という言葉が政治の世界では生きていますね: 彼女戦争反対さんがリツイートしました 政治汚染がつらいママ @tantanyatokyoto · 1月30日 麻生、二階、細田、森、聞いてますか? 新しい時代のために退任するんですって! 引用ツイート かずくん @kazukun7996 · 1月27日 トヨタ社長の退任の言葉「私は古い人間だから新しい時代のために退任する」 地位にしがみつく全老害に届いてほしい 🔲競艇の『日本財団』が?! というので拾ってみました。それにしても戦後の日本から75年間も何やってたの!?という日本。数字に表れていますね: 日本財団 @NipponZaidan T…
「修養」の日本近代自分磨きの150年をたどる大澤絢子NHK出版2022年8月25日 第1刷発行 2022年秋、日経新聞の書評で見て気にはなっていたのだけれど、 「修養」に対するちょっとネガティブっぽい本という感じがして、特に読みたいとは感じなかった。そして、2022年年末に銀座の教文堂で発行している「おすすめ本」のチラシの中に、本書を見つけた。二度も目に入ったわけだし、、、とおもって図書館でかりてみたら、すぐに借りられた。 著者の大沢さんは、1986年茨城県生まれ。茨城県立日立北高等学校卒業、お茶の水女子大学文教育学部卒業、東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻博士課程修了。博士(…