正宗白鳥(1879 - 1962) お見事な齢のとりかただ。真似などできようはずもないが、ひとつの理想ではある。 正宗白鳥は読売新聞(当時は文化芸術の新聞)に就職して、文芸時評や演劇時評や美術時評を書きまくった。偶像破壊者と称ばれた。他人が崇めるものをぶち壊しにするような、身も蓋もない辛辣な批評を繰返したからだ。評判の記者だった。 世は尾崎紅葉はじめ硯友社系作家が隆盛の時代。小説など書く気はなかった。内村鑑三か徳富蘇峰になら興味はあったけれども。国木田独歩が出てきて、これも小説だという。それでよろしいのなら、俺も書いてみようかという気になった。 自然主義文学作家の一人と目された。人生ありのまゝ…