呉智英さんの『バカに唾をかけろ』が鋭い。「人権を疑え」という論説が「人権」というあやふやなものを考える切っ掛けを与えてくれる。 呉さんは言う。 《人権は単なる「取り決め」すぎない》 そう前提して厳しくこう断言する。 《愚か者の最後の切り札が人権思想である。人権を持ち出せば何でも語りうると思っている。議論はすべて人権に帰着して結論が出ると思っている。そんな愚か者が知識人と自称して学界や言論界に生息している。》 いやいや、学界、言論界どころか、政界から一般市民の間にまで「人権教」が蔓延っている。 呉さんは「人権」という思想は17世紀18世紀の人間観であると言われる。様々な学問が進歩した21世紀に、…