1878―1923年 「星座」「宣言」「カインの末裔」「生まれ出づる悩み」「或る女」などにより、リアリズムの虚構を極めた作家として、大きな足跡を残した。 大正時代を代表する作家であり、武者小路実篤・志賀直哉らと共に雑誌「白樺」に参加。
父から引き継いだ広大なニセコの農場を、土地共有という形で小作人に無償で解放し、当時の社会に大きな反響を呼んだ (北海道ニセコ町有島記念館より)
息子に、俳優の森雅之。
ごきげんよう、ワタクシよ。(Hello! It's me!みたいなかんじで読んでもらえれば…)書くことがないと書き出しがおかしくなりますね。とうとう関東甲信が梅雨入り。東京は夜から雨で、ジメジメしますわね。話すことがないと天気の話をしちゃうのも社交のテクニックですわよ。 みなさん書くことがないときはどうしてるんですか?書くことがないのにブログの更新するとかいうことはしないんですかね。私はハケ口がブログなので、書かないとやってられないのです。いや、書くことないって言ったばっかりなんですけど。 本日のお題を自分で作りますが、「愛は惜しみなく奪うものなのか?」についてお話ししたいと思います。 ser…
有島武郎に「或る女」という小説がある。独歩の妻だった佐々城信子がモデルである。今で言う飛んでる女である。”ある日、独歩が家に帰ってくると信子がいない”。信子に捨てられて「余は一種異様の感あり」。暫く未練を引きずっている。「源叔父」はそういう騒動のあった翌年発表された。 「源叔父」」は、佐伯地方の葛港と大入島を渡す船頭と城下を徘徊する白痴の哀れな少年「紀州乞食」との物語である。二人には実在のモデルがいる。 この時分の葛港は、「佐伯町にふさわしかるべし。見給ふ如く家といふ家幾ばくありや、人数は二十にも足らざるべく、淋しさは何時も今宵の如し」、と未だ寒村に過ぎない。独歩はこの港でよく泳いだ。葛港には…
(帰ってきた木田金次郎展) ★帰ってきた木田金次郎展 木田金次郎美術館、2022年7月1日(金)-11月6日(日) (WEBサイト→) www.kidakinjiro.com 1994年に開館した木田金次郎美術館は、収蔵作品のおよそ半分が、所蔵者からの寄贈・寄託によるものという、全国的に見ても珍しい美術館です。これは、1954年(昭和29年)9月の「岩内大火」により、木田金次郎自身や岩内の友人たちが所蔵してきた作品の多くを焼失したことに端を発しますが、当館の開館準備から現在まで、遺族から寄贈を受けた作品を核にして、開館当時の91点(油彩)が175点と、倍近くまでに充実してまいりました。これらの…
(有島武郎『やちだもの木立』、1914年) ★三岸好太郎 1920年-1930年代展 北海道立三岸好太郎美術館、2022年7月16日(土)-9月25日(日) (WEBサイト→) artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp 1923年の画壇デビューから、わずか10年あまりのあいだに日本の近代洋画史を彗星のごとく駆け抜けた三岸好太郎。三岸好太郎は何を見て、何に心を躍らせていたのでしょうか。本展では、激動の1920年-1930年代に変貌を重ねた三岸好太郎の軌跡と、同時代の国内外の画家たちによる習作をご紹介いたします。 ※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基…
『或る女』有島武郎新潮文庫平成7年5月15日発行平成30年3月5日16刷 先日読んだ、佐藤優さんと富岡幸一郎さんの『危機の日本史 近代日本150年を読み解く』の大正篇で取り上げられていた作品。 megureca.hatenablog.com 有島武郎って、多分読んだことないと思ったので、図書館で借りて読んでみた。 裏の紹介文には、”美貌で才気溢れる早月葉子は、従軍記者として名をはせた詩人・木部と恋愛結婚するが、2ヶ月で離婚。その後、婚約者木村の待つアメリカへと渡る船の中で、事務長・倉知のたくましい魅力の虜となり、そのまま帰国してしまう。個性を抑圧する社会道徳に反抗し、不羈(ふき)奔放に生き通そ…
仕事の帰り道。 シトシトと降る雨の中、「そういえばこの辺りに文学館があったな」と少し回り道。 どっしりと構えたグレーの建物に近づき重いドアをゆっくりと開けると、ふわっとしたあたたかさに迎え入れられる。 地元にゆかりのある作家の本が並ぶその記念館はカフェも併設しており、読書をしながらコーヒーも楽しめます。 コンセプトの中心はあくまで読書。なのでメニューはホットコーヒーとアイスコーヒー、カフェオレだけ。 先に入っている客は女性ひとり。真剣に読みふけっている彼女の邪魔をしないよう、小声でホットコーヒーを注文して静かに本棚へ。 奥へ進むと、地元の作家のみならず日本の文学を作り上げた文豪たちの著書も並ん…
人生とは
(高山美香『ちまちま人形 有島武郎』) ★有島武郎 『星座』展 北海道立文学館、2022年1月19日(水)-3月13日(日) (WEBサイト→) www.h-bungaku.or.jp 有島武郎は『カインの末裔」や『生(うま)れ出(い)づる悩み』『或る女』などで知られる明治の文豪のひとり。本展では、有島武郎の生涯とそのおもな作品を書簡、日記、絵画、遺品などでたどると共に、札幌農学校(現在の北海道大学)の学生たちを描いた未完の小説『星座』の世界を紹介します。 ※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、北海道立文学館さま(HP)よりお借りしました。
(有島武郎展) ★有島武郎展 釧路文学館、2022年1月29日(日)ー4月24日(日) (WEBサイト→) www.town.niseko.lg.jp 有島武郎は文学者であると同時に、思想家、美術家、不在地主でもありました。本展では、そうした有島武郎の生涯や、北海道での足跡について、ニセコ町有島武郎記念館収蔵の資料やパネル展示を通して、多彩な素顔に迫ります。 ※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、有島記念館さま(HP)よりお借りしました。
最近読んだ本で、ちょっと面白いなと思ったものがあったので紹介します。『或る女』の生涯『或る女』の生涯作者:阿部光子新潮社Amazon有島武郎の「或る女」という本があります。 女主人公が青年文学青年と結婚するも離婚をして、親のツテで法学博士と結婚しようとアメリカへわたるのですが、その法学博士を振って、帰国します。そのアメリカと日本を往復する船の船長と結ばれて、実はその船長には妻子がいて…と言う愛憎劇をドラマチックに書いた作品です。或る女 (新潮文庫)作者:武郎, 有島新潮社Amazon或る女/有島武郎【1000円以上送料無料】価格: 1045 円楽天で詳細を見るこの本ではそのモデルになった女性に…
1 「闇があるから光がある。闇から出てきた人こそ、一番本当の光のありがたさが分かるんだ。世の中は幸福ばかりで満ちているもんではないんだ」 一九三三年(昭和八年)二月二十日 東京・赤坂・福吉町 日本共産青年同盟の詩人・今村恒夫と共に、赤坂の連絡場所に訪れた小林多喜二が、特高に捕捉され、名前を自供しない多喜二に写真を見せたところで、毛利特高課長が取調室に入って来た。 「よう、小林。とうとうふん捕まったじゃないか。恐れ入ったろ」 「こうなったら仕方ない。元気でやろうぜ」 多喜二が今村に声をかけるや、それぞれ別の取調室に入れられや、多喜二への言語に絶する拷問が始まった。 木刀で激しく殴打され、大腿部を…
朝方、コタがかなり久しぶりに発作起こしそうな激しい鳴き方をしたかと思うとケポ、そして座椅子の上にオシッコ (;^ω^)う~んどうしたのかな?昨日から洗濯物を外干しできるくらいの快晴、高気温となっているため汚れたモノを朝から洗濯!タオルケット以外はほぼほぼ乾いてくれて、今がもう11月の後半だなんて信じられない。ホントこのまま雪降らなきゃいいんだけどなぁ。 数年ぶりに芸術の森美術館へ 深掘隆介さんと金魚 チートデイに… 数年ぶりに芸術の森美術館へ 何としても観に行きたかった芸術の森美術館で開催されている展示「深掘隆介展 水面のゆらぎの中へ」へやっと行ってきた。芸術の森美術館は市内中心部から離れたそ…
1.小学生が読んではいけない本 〇「人気シリーズ」 〇「名作のダイジェスト本」 〇ライトノベル 〇大人に人気のファンタジー 2.中学生でよむべき本 小学高学年で読んでほしい本については、この記事で書きました。 peter-lws.hateblo.jp 今回は、小学生で読んではいけない本、そして中学生になったら読むべき本について書いてみたいと思います。 1.小学生が読んではいけない本 普通に出版され、そして売られている=買われている本について、「読んではいけない本」扱いするのも失礼な話ですよね。ここで言いたいのは、「頭脳が発達する大切な時期に読むのは無駄な本」「読むことで悪影響があるかもしれない…
梅田滋『存在の淋しさ 有島武郎読書ノート』に寄せて 竹中英俊(北海道大学出版会相談役) 有島武郎は「北海道文学の父」と言われる。確かに「カインの末裔」や「生まれ出る悩み」「星座」などは北海道に深く根差した作品であり、その呼称は正しい。しかし、一方、有島の作品を今日読み直すと、それは「北海道」という場を胎盤として生まれ育ったものでありつつも、それを超えて、作品の場そのものを問い直す、そして人間の存在を問い直すものであることに気付くのではないだろうか。「存在」は、あなたの/わたしの「アイデンティティ」あるいは「居場所」と読み替えてもいい。 ここに今年5月に刊行された梅田滋『存在の淋しさ 有島武郎読…
札幌から帰った12日から1週間余、倶知安の作家である沼田流人(1898-1964)に没頭していました。北海道のタコ部屋(監獄部屋)を描いた岩藤雪夫「吹雪」について書いたSSN拙文について、岡和田晃氏から沼田流人『監獄部屋』があることを教えられ、その1週間も経たないうちに、『存在の淋しさ 有島武郎読書ノート』(共同文化社)の著者である梅田滋氏に札幌でお会いした時、喜茂別に住まいの氏が倶知安の作家である沼田流人を話題にされて、その偶合に驚いた次第です。 司書職の新谷保人氏がその「人間像ライブラリー」において、沼田の作品および関連の文献を電子化されていることを梅田氏から教えていただき、それも含め、下…
今回は新軽井沢を中心にぶらり旅。 蕎麦と天ぷらが美味い。 朝吹登水子の別荘を訪問。 朝吹家って超絶エリート一族だなぁ。 家族揃って食卓で 「この世をば〜?」 「我が世とぞ思ふ〜!」 「望月の〜?」 「欠けたることもなしと思えば〜!」 チーン! なんて乾杯・晩餐とかしてたのかな? 現在活躍中の朝吹真理子も芥川賞受賞作家だし。 う〜ん、実に鼻持ちならない一族だ笑 ペイネの絵 「私の心はあなたへの愛で燃えています」 「まぁ!うちは暖房が壊れているの、うちへいらして」 う〜ん、素敵! 「風立ちぬ」の堀辰雄の書簡。 字も文章も下手くそ…じゃないか? 内村鑑三が温泉宿の主人に宛てた書。 意識高っ!そもそも…
昨日は「自然の中の赤い実の意味」で、北原白秋作詞、成田為三作曲の童謡「赤い鳥小鳥」について述べました。今日はそれに関連する別の童謡の歌詞を考えてみましょう。 童話童謡雑誌『赤い鳥』は、1918(大正7)年、夏目漱石門下の鈴木三重吉が創刊。有島武郎、芥川龍之介、菊池寛、小川未明らが童話を、北原白秋、西条八十らが童謡を発表し、日本の児童文学に大きな足跡を残しました。童話では、芥川龍之介「蜘蛛の糸」、「杜子春」、有島武郎「一房の葡萄」、小河未明「月夜の眼鏡」、新美南吉「ごんぎつね」などが掲載され、童謡でも、西条八十「かなりや」、北原白秋「赤い鳥小鳥」等多数あります。 日本で最初の童謡曲は西條八十の「…
テリトリー、外、内、辺境 辺境に身を置いた人たち 言葉は外と内から辺境へとやって来る 辺境としての自分 夢の言葉、言葉の夢 テリトリー、外、内、辺境 昔の話です。 「仏文学は澁澤龍彦、独文学は種村季弘(たねむらすえひろ)、英文学は由良君美(ゆらきみよし)」――そんなふうに、一部の人たちが口にしていた時期がありました。三人に共通するのは、博覧強記というところでしょうか。在野、アカデミックな場と、身を置く場所は違いましたが、それぞれが持ち味を生かしながら、いいお仕事をなさっていました。 澁澤龍彦 - Wikipedia 種村季弘 - Wikipedia 三人のなかでは、由良君美がいちばん一般的な知…
古本屋さんで買って手元に置いていた本を、この秋に少しずつ読みました。 著者の中川一政さんのお名前を尾崎士郎記念館で知り、昨年の夏に真鶴の美術館へ行きました。その前に、絵だけは何度も目にしていました。向田邦子作品の本のカバーやドラマのタイトルで目にしていました。 美術館へ行ったときに、なんかちょっとした言葉も響くんだよな・・・と思っていたら、なんと少年時代に短歌で賞金を稼いでいたのだそう。謎が解けました。 作家との交流も多く、武者小路実篤や若山牧水、斎藤茂吉といった教科書の中の人が出てきます。長生きをした人なんだな・・・と思って読んでいたら、20代の頃に芥川龍之介と一緒に過ごした晩の話が出てきて…
この連載「逆輸出された漢字医学用語」は亀田メディカルセンター脳神経内科部長・福武敏夫さんの連載だ。今回は第6回目なのだが、いままで真面目に読んでこなかった。どんな用語を取り上げていたのかバックナンバーで調べてみたい。それにしても、脳神経内科のドクターは実にユニークな頭のよい多彩な方がおられる。岩田誠先生(元東京女子医大)、河村満先生(昭和医大)を想い起す。福武先生のお名前もよく聞いていた。亀田病院に行く前には、東京医科歯科大学におられたのではなかったか?後で経歴を調べてみたい。ネットでみたら、「東京大学理学部数学科中退。医学系予備校講師をを経て、1981年3月に千葉大学医学部卒業して医師へ。『…
『文豪、社長になる』門井慶喜文藝春秋2023年3月10日 第1刷発行 先日、叔父が面白かったと言っていたので、図書館で借りてみた。 文藝春秋を設立した菊池寛の物語。本名は、ひろし。文豪としては、きくちかん。 表紙の裏には、菊池寛の経歴が。 菊池寛は、明治21年、1888年、香川県高松市に生まれる。京都大学英文科を卒業後、時事新報社社会部記者に。この頃、『父帰る』『無名作家の日記』『恩讐の彼方に』など、後に名作とされる作品を次々と発表。大正9年(1920年)、新聞に連載を開始した『真珠夫人』が大ベストセラーとなり、一躍流行作家に。同12年(1923年)に雑誌文藝春秋を創刊。その後も文藝春秋社社長…
ふるさと納税とは、生まれた故郷や応援したい自治体に寄付すると、自己負担2000円で、お肉やお米などの地域の特産品がもらえる制度です。返礼品についてはお肉やお米など全国の特産品や、自治体の趣向が見える返礼品が用意されています。 ふるさと納税についてはこちらの記事をご覧ください。 goldsky.hatenadiary.jp ここでは北海道道央地区後志総合振興局管内の各市町村の「ふるさと納税」ページのURLと各市町村の取り扱いポータルサイトを紹介します。 後志総合振興局 小樽市(オタルシ)への寄付(ふるさと納税)について 寄附を募集している事業 小樽市にふるさと納税をインターネットからする場合 【…
【シリーズ=教養の饗応】(10/30配信第75号) 今は、二十四節気の「霜降(=そうこう)(10/24-11/7)」 七十二候の「霎時施(こさめ ときぢき ふる)(10/29-11/2)」です。 昨日10月29日は、「大安(たいあん)」です。 本日10月30日は、「赤口(しゃっこう)」です。 明日10月31日は、「先勝(せんしょう)」です。 また、陰暦十月の異名は「神無月(かんなづき)」です。 英語では「Octobre」 フランス語では「octobre= (オクトブル)」です。 中国語では『十月』と書いて『シーユエ』と発音します。 韓国語では『시월』と書いて『シウォル』と発音します。 10月の…
2023.10.29 AM10:00-AM11:30 自転車整備出してシャキっとした 国道9号→湯山鳥取線(砂丘横)→多鯰ヶ池→多鯰ヶ池周辺の山道(熊に遭遇しないことを祈りつつ)→帰宅 鳥取大橋より千代川 因幡自転車道より鳥取市街地(雨降ってきた) 有島武郎歌碑 多鯰ヶ池 多鯰ヶ池周辺の山道より 多鯰ヶ池、鳥取砂丘、日本海
あ ・甘粕正彦 1891-1945 陸軍軍人、旧満州国要人。1912年、陸軍士官学校卒業後、憲兵司令部副官などを経て、21年憲兵大尉となる。23年9月16日、麴町憲兵分隊長として無政府主義者大杉栄、大杉の妻で婦人運動家伊藤野枝、甥の橘宗一(6歳)を連行し、絞殺した(甘粕事件)。甘粕は軍法会議にかけられ、懲役10年の判決を受けたが、3年後の26年仮出所、30年中国に渡る。31年の満州事変以後、軍の謀略・工作活動にたずさわり、満州国建設に関与した。のち、満州映画協会理事長などを歴任。45年第2次世界大戦終結と同時に満州でピストル自殺した。(『ブリタニカ国際大百科事典』より) 地獄に墜ちろ。 ・荒畑…