1878―1923年 「星座」「宣言」「カインの末裔」「生まれ出づる悩み」「或る女」などにより、リアリズムの虚構を極めた作家として、大きな足跡を残した。 大正時代を代表する作家であり、武者小路実篤・志賀直哉らと共に雑誌「白樺」に参加。
父から引き継いだ広大なニセコの農場を、土地共有という形で小作人に無償で解放し、当時の社会に大きな反響を呼んだ (北海道ニセコ町有島記念館より)
息子に、俳優の森雅之。
彼は門を通る人ではなかつた。また門を通らないで済む人でもなかつた。(二十一の二) 夏目漱石(慶応3.1.5(陰暦)~大正5.12.9 小説家)の小説「門」(明治43.3.1~6.12 『東京朝日新聞』『大阪朝日新聞』)の舞台となったことで知られる北鎌倉の円覚寺。 (総門) 親友安井の内縁の妻を奪った主人公宗助が、安井との再会を恐れて参禅した円覚寺。 実は作者の夏目漱石も、明治27~28年にかけて円覚寺に参禅しています。「門」の舞台設定は、その時の経験が大きく反映されています。 (山門) 山門を入ると、左右には大きな杉があつて、高く空を遮つてゐるために、路が急に暗くなつた。其陰気な空気に触れた時…
『僕は一生が大事だと思いますよ。来世があろうが、過去世があろうが、この一生が大事だと思いますよ。有島武郎『或る女』(新潮社)』 過去に対する意識が強い人がいます。 一方、来世に希望を持つ人もいます。 人によっては、現世は、苦痛の地獄でしか無いようです。 そこまで、深刻でなくても、「今」には、居心地が良くないようです。 「この一生が大事」というフレーズのくり返しは、際立った表現として感じられます。 「生きているだけで丸儲け」と言ったコメディアンがいました。 つまり、生かされ、生きている間こそが大事だというのが、有島武郎のフレーズですね。 「おもしろくない」とか「つまらない」、「楽しくない」と聞く…
ごきげんよう、ワタクシよ。(Hello! It's me!みたいなかんじで読んでもらえれば…)書くことがないと書き出しがおかしくなりますね。とうとう関東甲信が梅雨入り。東京は夜から雨で、ジメジメしますわね。話すことがないと天気の話をしちゃうのも社交のテクニックですわよ。 みなさん書くことがないときはどうしてるんですか?書くことがないのにブログの更新するとかいうことはしないんですかね。私はハケ口がブログなので、書かないとやってられないのです。いや、書くことないって言ったばっかりなんですけど。 本日のお題を自分で作りますが、「愛は惜しみなく奪うものなのか?」についてお話ししたいと思います。 ser…
有島武郎に「或る女」という小説がある。独歩の妻だった佐々城信子がモデルである。今で言う飛んでる女である。”ある日、独歩が家に帰ってくると信子がいない”。信子に捨てられて「余は一種異様の感あり」。暫く未練を引きずっている。「源叔父」はそういう騒動のあった翌年発表された。 「源叔父」」は、佐伯地方の葛港と大入島を渡す船頭と城下を徘徊する白痴の哀れな少年「紀州乞食」との物語である。二人には実在のモデルがいる。 この時分の葛港は、「佐伯町にふさわしかるべし。見給ふ如く家といふ家幾ばくありや、人数は二十にも足らざるべく、淋しさは何時も今宵の如し」、と未だ寒村に過ぎない。独歩はこの港でよく泳いだ。葛港には…
(帰ってきた木田金次郎展) ★帰ってきた木田金次郎展 木田金次郎美術館、2022年7月1日(金)-11月6日(日) (WEBサイト→) www.kidakinjiro.com 1994年に開館した木田金次郎美術館は、収蔵作品のおよそ半分が、所蔵者からの寄贈・寄託によるものという、全国的に見ても珍しい美術館です。これは、1954年(昭和29年)9月の「岩内大火」により、木田金次郎自身や岩内の友人たちが所蔵してきた作品の多くを焼失したことに端を発しますが、当館の開館準備から現在まで、遺族から寄贈を受けた作品を核にして、開館当時の91点(油彩)が175点と、倍近くまでに充実してまいりました。これらの…
(有島武郎『やちだもの木立』、1914年) ★三岸好太郎 1920年-1930年代展 北海道立三岸好太郎美術館、2022年7月16日(土)-9月25日(日) (WEBサイト→) artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp 1923年の画壇デビューから、わずか10年あまりのあいだに日本の近代洋画史を彗星のごとく駆け抜けた三岸好太郎。三岸好太郎は何を見て、何に心を躍らせていたのでしょうか。本展では、激動の1920年-1930年代に変貌を重ねた三岸好太郎の軌跡と、同時代の国内外の画家たちによる習作をご紹介いたします。 ※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基…
『或る女』有島武郎新潮文庫平成7年5月15日発行平成30年3月5日16刷 先日読んだ、佐藤優さんと富岡幸一郎さんの『危機の日本史 近代日本150年を読み解く』の大正篇で取り上げられていた作品。 megureca.hatenablog.com 有島武郎って、多分読んだことないと思ったので、図書館で借りて読んでみた。 裏の紹介文には、”美貌で才気溢れる早月葉子は、従軍記者として名をはせた詩人・木部と恋愛結婚するが、2ヶ月で離婚。その後、婚約者木村の待つアメリカへと渡る船の中で、事務長・倉知のたくましい魅力の虜となり、そのまま帰国してしまう。個性を抑圧する社会道徳に反抗し、不羈(ふき)奔放に生き通そ…
仕事の帰り道。 シトシトと降る雨の中、「そういえばこの辺りに文学館があったな」と少し回り道。 どっしりと構えたグレーの建物に近づき重いドアをゆっくりと開けると、ふわっとしたあたたかさに迎え入れられる。 地元にゆかりのある作家の本が並ぶその記念館はカフェも併設しており、読書をしながらコーヒーも楽しめます。 コンセプトの中心はあくまで読書。なのでメニューはホットコーヒーとアイスコーヒー、カフェオレだけ。 先に入っている客は女性ひとり。真剣に読みふけっている彼女の邪魔をしないよう、小声でホットコーヒーを注文して静かに本棚へ。 奥へ進むと、地元の作家のみならず日本の文学を作り上げた文豪たちの著書も並ん…
人生とは
(高山美香『ちまちま人形 有島武郎』) ★有島武郎 『星座』展 北海道立文学館、2022年1月19日(水)-3月13日(日) (WEBサイト→) www.h-bungaku.or.jp 有島武郎は『カインの末裔」や『生(うま)れ出(い)づる悩み』『或る女』などで知られる明治の文豪のひとり。本展では、有島武郎の生涯とそのおもな作品を書簡、日記、絵画、遺品などでたどると共に、札幌農学校(現在の北海道大学)の学生たちを描いた未完の小説『星座』の世界を紹介します。 ※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、北海道立文学館さま(HP)よりお借りしました。
[901] 志賀直哉(小説の神様) 2024/09/12 14:10 qK/mIgCGXLH まぁ、私は赤塚さんほど、大学の成績も勿論、良くないし、お金持ちの家でもないけれど。赤塚さんがNECを二カ月で退職された理由は分からないけれど。慶大時代、慶大院時代、高額家賃のマンション暮らしで、NECの寮生活で寮友から矢張り、浮いてしまわれて、人間関係に難色を示されたとしか・・・ちょっと、ケイオウはお金持ちが多すぎて、庶民肌ではないですし、NECは大衆向き企業だと想うけれど。まぁ、氏の場合は実家に戻って、家の跡継という選択肢もあったのだろうけれど・・・ [902] タンチョウ 2024/09/12 1…
thebbs.fc2.com [0] 名も無きザビラー@ザ掲示板 2024/02/02 00:58 rQ/0qiIYDP0 神=全知全能という仮定のもと神に「神がもちあげることのできない石を作れるか」と言った場合もしその石を作れたなら神にもちあげられない石があるので神は全知全能ではないもしその石を作れなかったら神は持ち上げられぬ石を作れないので全知全能ではない。この理論一見矛盾しているような感じもしますが納得できますしやはり神などというものは存在しないのでしょうか?もしくは存在したとしても全知全能ではないのでしょうか?皆さんの意見を聞かせて下さい [1] 名も無きザビラー@ザ掲示板 2024/…
サボ(サボタージュから。この年から「サボる」が日常語になった) イージー(イージー恋愛の略。学生が繁華街で女学生と知り合うこと) 人類の敵(嫌いな人のこと。米を買い占めた商店にこの言葉の張り紙が貼られた) Karini dansei ga gay dekinai ippou de josei ga rezubian yarimakutte iru nara sono baai nara josei mechakucha ren'ai yuuri darou na Watashi betsuni kyokutan ni ren'ai shitai wake janai karana sonna …
「ラジオ深夜便」のインタビューで、生成AIの威力を試す。 1:「PLAUD NOTE」を使って、文字起こし。 2:「Claude」で、修正してもらおうとしたが、著作権の関係で、要約しか提示されなかった。 3:「perplexity」 4:「ChatGPT」を使って修正。インタビューのまとめらしくなった。 ーーーーーーーーーーーーーーー 1:PLAUD NOTE 日本総合研究所会長の 寺島実郎さんのお話です。寺島さんは 1947年 北海道を生まれ、1973年 大学院を卒業後、三井物産に入社、イラン革命や アメリカ大使館選挙事件など 行われました。その後、ワシントン事務所長などを歴任し、2009年…
はじめに 人間の欲望と社会の規範。愛と自由の追求。これらの普遍的なテーマを鮮烈に描き出した作品が、有島武郎の『或る女』です。1911年から1913年にかけて『白樺』に連載され、1919年に単行本として刊行されたこの小説は、発表当時から大きな反響を呼びました。主人公・早月葉子の大胆不敵な生き方は、当時の読者に衝撃を与え、現代においてもなお、私たちに深い洞察を与えてくれます。 本作は、女性の自立と愛の本質という普遍的なテーマを通じて、人間の内面に潜む欲望と葛藤を赤裸々に描き出しています。社会の制約に縛られることなく自由に生きようとする葉子の姿は、現代の読者にも強い印象を与えるでしょう。本記事では、…
北海道開拓の村 ゴールデンカムイ聖地of聖地 昨日の続きー 旧有島武郎邸 第2~5巻 第23巻 土方歳三の札幌のアジト 牛島が札幌世界ホテルで瀕死の傷を負った家永を介抱するところ。 牛島と永倉新八の会話を白石が盗み聞きするところ。 当時の文豪ってなんで心中がディフォルトだったんだろう? 奥さんの秋子さんはきれいな人だった! 旧開拓使工業局庁舎 第28巻 マキリが展示してあるどこかの郷土資料館 ロシア型 馬橇 旧北海中学 宇佐美と高木が通っていた新潟の学校 えどがいくぅ~んの家の食卓(母親の剥製が座っている) 小学校の時にあんなストーブあったよな?コークスで焚くやつ⁇ 旧青山家漁家住宅 第4~5…
オーダー品です。 宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』の要素を活かしてデザインしました。 オーダーメニューはコチラ minne.com おはようございます。 こぎん刺しのテディベア・動物ぬいぐるみ製作の、kogin*bear style こひろです。 春の新緑のような爽やかな緑でまとめました。 手乗りサイズ。こぎんは紺色の生地で夜空をイメージ。 こぎん模様はねこのまなぐ。 お届けしたところ喜んでいただけて何よりでした。 有島武郎『生れ出づる悩み』など、文学作品からのイメージでの制作はたまにやります。 『生れ出づる悩み』にも登場する雷電岬をイメージしたこぎん竜。 いまは「あお」という名…
国木田独歩は明治時代の小説家であり、詩人ですが、ジャーナリストでもあります。 日清戦争の際には従軍記者として(本名国木田哲夫の名で)「国民新聞」に連載した「愛弟通信」が好評を博します。 代表作は『源叔父』『武蔵野』『欺かざるの記』など。自然主義の先駆けとして知られます。 また編集者としては『婦人画報』(1905年創刊)を創刊・編集をしています。『家庭画報』とごっちゃになる(^^; 目次 生い立ち 徳富蘇峰と国木田独歩 結婚と離婚 大恋愛 結婚 離婚 茅ヶ崎にて 生い立ち 国木田独歩は1871年8月30日に千葉県で生まれます。153年前の今日です。 父国木田専八は旧龍野藩(現兵庫県たつの市)の藩…
青野季吉『文学五十年』(筑摩書房1957)読了。青野は1920年代、文芸戦線系のプロレタリア文学批評家として活躍した人物であるが、本書はそれにとどまらない自らの半生の文学的回想記である。 1890-1961. 佐渡の没落地主の家に生まれ、佐渡中学校、高田師範卒。小学校教師となる。この辺境の佐渡に生まれ育ったことが同郷の若き北一輝への共感とともに青野の文学的感性の基底をなしている。 本書は、その佐渡での10代半ばでの二葉亭四迷訳『浮草』(ツルゲーネフの『ルーヂン』)との出会いから始まる。国木田独歩、徳冨蘆花を経て、島崎藤村『破戒』や田山花袋『蒲団』『田舎教師』など自然主義文学にひかれ、大正期の早…
(木田金次郎ストーリーズ展) ★木田金次郎ストーリーズ展(前編、後編) 木田金次郎美術館、2024年7月5日(金)-11月4日(月・振) (WEBサイト→) www.kidakinjiro.com 木田金次郎の作品は様ざまな「物語」が秘めています。小説『生まれ出づる悩み』の主人公のモデルとして描いた有島武郎との関連を始め、岩内や北海道内での制作背景など、作品所蔵者が木田金次郎や岩内に関わりが深く、作品ごとと言っても過言ではないほどに、エピソードやストーリーに彩られています。 2024年は「岩内大火」から70年の節目でもあります。そこで今回の特別展では、会期を「前編・岩内大火以前」「後編・岩内大…
1979年8月、筑摩書房から刊行された秋山清(1904~1988)の自伝。装幀・装画は松川八洲雄。 目次 第一部 幼年から少年まで 大組・小組(おおぐみ・こぐみ) 相互扶助論 背なかの思い出 けんさい餅 大逆事件 片村安之助 天变地異 一字書き 忍耐 鹿喰峠(かじきとうげ) 米騒動とスペイン風 大罷業 有島武郎の小説 山羊ヒゲの先生と 大杉来る 周防灘 父のこと 幼いニヒル 第二部 青年時代 エレベーターボーイ 鎌倉雪の下 弁士など失格 『正義を求める心』 田舎の一夏(ひとなつ) 「地震憲兵火事巡査」 避難せず 夜汽車のうた あとがき NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで…
大人になれるか不安。 こんなつぶやきがポツンと紙切れに書かれていた。 どうやって応えればいいのだろうか? ワタシには明確な答えの持ち合わせがない。 大人になるのは至極難しいことなのかもしれない。 偶然にも『デミアン』を読んでいた。 この本は、かなり歳の離れた若者に読むことを以前より強く薦められていた。 実は何度か読み始めたことはあったのだが、最初の数ページで挫折していた。 今回、何度目かの挑戦で最後まで読み切った。 しかも、読み終えた次の日に、もう一度最初から読み直した。 立て続けに2度読んだということだ。 どう理解したらよいのかわからないところがいっぱい残ったからかもしれない。 2回読んでス…
旅吉です。 羊蹄山を背にして支笏湖に向かった。前回の旅では支笏湖はスルーしたので今回が初めて。その感想。昨年訪ねた洞爺湖や摩周湖と同様、しんと静まり返って格調高い。カルデラ湖ならではの人を寄せ付けない空気のせいか。 小雨が降る中、峠越えで札幌市に向かう。結構なぐねぐね道。3日前に走った酷道429号には遠く及ばないが、少し嫌になる。 そうこうしていると、札幌芸術の村に到着。ここには白樺派の作家有島武郎の邸宅が移築して保存されている。以前は北海道大学の中にあったとか。外観も内装もなかなかの雰囲気。古い邸宅はやはりいい。何かうれしくなる。 受付の女性といろいろ話したところ、かなりの旅好きだと分かった…
年度 573 聖徳太子 719 楊貴妃 845 菅原道真 975 三条天皇(第67代) 980 一条天皇(第66代) 1119 崇徳天皇(第75代) 1127 後白河天皇(第77代) 1147 源頼朝 1162 チンギス・カン 1180 後鳥羽天皇(第82代) 1288 後醍醐天皇(第96代) 1358 足利義満 1411 ジャンヌ・ダルク 1452 レオナルド・ダ・ヴィンチ 1483 マルティン・ルター ラファエロ・サンティ 1497 毛利元就 1506 フランシスコ・ザビエル 1521 武田信玄 1529 上杉謙信 1534 織田信長 1536 豊臣秀吉 1538 前田利家 1542 徳川…
5-1.春江堂書店の書記 5-2.春江堂書店からのデビュー 5-3. 赤本作家泉清風──概覧 5-4.活動期間の比較 5-5.「大泉黒石」・「泉清風」としての出発──二つの戦略 5-6.〈大泉黒石〉の誕生 5-7.〈大泉黒石〉の受容──喝采と疑義 5-8.大泉黒石と泉清風 5-1.春江堂書店の書記 第3章の末尾で触れたように、清は一高を退いた後、かつて日活で知り合った高橋筑峰の世話で赤本屋の書記になったという。「放浪の半生 (文壇数奇伝─その二─)」の該当箇所を引いておく。 それは大正六年頃だった、それから[上京後、労働者時代を経て、学生生活の破綻後]私は以前活動写真の役者を勤めている頃の仲間…