「夜霧」や「朝靄」は、情緒的な響きがあるが、日常の会話で「霧」と「靄」(もや)を使い分ける人はほとんどいないだろう。物の本を調べると、気象用語でははっきり区分けする基準があるのだという。この基準に当てはめると、今朝、わが家の周辺で発生した自然現象は「靄」だった。ラジオ体操が始まる直前に漂い始めた靄は、2時間ほどで消えた。 霧と靄は、大気中の水蒸気が微小な水滴がとなって浮遊して視界が悪くなるもので、同じ現象だ。しかし気象用語では水平視程が1キロ未満、つまり1キロ以上の遠くの物が見分けられなくなる状態が霧で、靄は水平視程が1キロ以上の状態を指す。近くしか見えないのが霧で遠くまで見えるのが靄といっ…