芥川賞候補にもあがっていた木崎みつ子の『コンジュジ』を読んだ。 木崎みつ子はこの『コンジュジ』ですばる文学賞を受賞しデビューしている。『コンジュジ』で芥川賞を受賞すれば、すばる文学賞受賞作で芥川賞受賞という金原ひとみ以来の快挙となる。『コンジュジ』だが、かなり面白いし構成・文章とレベルが高い。芥川賞とるぐらいのレベルにはあると思った。文章もこなれていて、ユーモア溢れる表現は魅力的だ。次の作品が楽しみな作家だ。 『コンジュジ』はポルトガル語で配偶者を意味する。実父から性暴力を受ける現実、架空のバンドの緻密な自伝、好きなバンドのボーカルに愛されているという妄想、の3つの物語が交錯する重層的な小説に…