隈研吾氏設計「新国立競技場」(イメージ) 2026年2月末、世界的建築家・隈研吾氏の代表作として知られる栃木県の美術館が「木目調アルミ」を身にまとって再開館した。同じ頃、北海道では隈氏が監修した約33億円の新庁舎計画が白紙撤回されていた。「美しさ」と「耐久性」「コスト」の三者をどう両立させるか、公共建築の根本的な問いが突きつけられている。 しかしこの問いに向き合う前に、まず立ち止まりたい。そもそも隈研吾氏とはどんな建築家で、なぜこれほど多くの人を惹きつけてきたのか。批判だけが先走ると、失われるものが見えなくなる。 隈研吾氏とは何者か――「負ける建築」を世界に問うた建築家 バブルの失敗が生んだ哲…